「家庭の事情で営業活動に集中できず成果も上がらない」 社内で気まずくならない2つの方法:営業コミュニケーション大解剖
育児や介護など、家庭の事情で思うように営業活動に邁進できないこともあるでしょう。社内で気まずくなりにくくするための日頃の振る舞いやコミュニケーションについて考えてみましょう。
【注目】ITmedia デジタル戦略EXPO 2024 冬 開催!
新規受注額を1年で4.5倍にした「スクラムセールス」
【開催期間】2024年1月30日(火)〜2月25日(日)
【視聴】無料
【視聴方法】こちらより事前登録
スクラムセールスとは、全員が全顧客・全プロセスに対応できる体制をつくり、各商談先や顧客の担当を明記せず、全員で全顧客のあらゆる課題の解決に向き合うという営業スタイルだ。スクラムセールスにより新規受注額を1年で4.5倍にした株式会社cocoの事例を紹介する。
Q: 育児や介護などの家庭の事情で営業活動に集中しづらく、思うような成果が出せていません。周囲のメンバーに急なフォローをお願いしたり、上司に良い進捗報告ができなかったりと気まずい状態が続いています。日頃の社内での振る舞いや上司への進捗共有でどんなことに気を付けるべきでしょうか?
A: 近年、営業でもDXなどを活用したフレキシブルな働き方が増えてきています。育児や介護などの「家庭の事情」を抱えながら、営業活動との両立に取り組んでいる方はその典型でしょう。営業を続けやすい環境は徐々に整備されてきているとはいえ、やはり通常より成果を上げることは難しく、また、周囲にフォローを依頼する頻度も増えることから、チームメンバーとの関係を良好に保つ努力も必要になります。
そこで重要なのが、日頃からどのような姿勢で業務にあたるか、また、どのように上司やメンバーとコミュニケーションを取るかという2点になります。それぞれ詳しく解説します。
(1)メンバーに闇雲に仕事を依頼している感をなくす
例えば育児中の場合には、保育園の送迎や突然の体調不良での呼び出しなど、業務中断を強いられる用事が発生しやすくなります。そのたびにチームのメンバーにフォローを頼んでいては、面倒ごとばかり投げてくる人だと反感を買うかもしれません。
また、上司に対しても行き当たりばったりだという印象を与え、真剣に仕事をしていないから成果が上がらないのではないか、と疑われる余地を与えてしまいます。
こうならないためのポイントとして、急な用事で業務を抜けても後から自力で対応できるように、日頃からやるべきことをリスト化しておくことが大切です。そのうえで、リストに上げたタスクは妥協せずにやり切り、他のメンバーにはその中で緊急性の高いものだけ依頼するという姿勢を貫くようにすると、メンバーからは無闇に業務を投げているわけではないと理解してもらいやすく、また上司からはそれでも成果が上がらないならやむを得ないと許容されやすくなることが期待できます。
こうした取り組みに対して周囲から一定の理解を得るためには、自分がどんな方針で業務を進めているのかを認識してもらえるように、予定や見通しを積極的に開示していくことも効果的です。「家庭の事情」がある場合には、過度な秘密主義は避けたほうがよいでしょう。
(2)「家庭の事情」の味方になってもらえるコミュニケーション
(1)に加えて、日頃から自身の家庭での苦労についてこまめに共有するようにしておくと、いざという時の協力を得られやすくなるでしょう。ただし、愚痴だと受け取られる話し方や家族を悪く言うことは単に印象が悪いだけでなく、仕事でも身内を守らない、つまりチームメンバーを助けてくれない人なのではないかという疑いを持たれる可能性があることから、避けるようにしましょう。
こうした話題を出すのは休憩時や、業務内なら雑談のタイミングが望ましいです。営業報告のような公式の場面ではどうしても言い訳がましくなるので、それ以前に上司にも伝わるように工夫しましょう。
「家庭の事情」を抱えている場合、家で起きるトラブルに疲れて、本心から誰かに話を聞いてほしいと思う瞬間もあるかもしれません。それでも、職場で話すネタにする場合は、あくまでも仕事を円滑に進めるための方策なのだという意識を持って、冷静な自分を残しながらコミュニケーションを取ることが重要です。
関連記事
- 「個人目標は達成したので、もう営業しなくていいですか?」 部下の困った質問、どう返す
営業マネジャーをしていると、部下から「困った質問」が飛んでくることもあるのではないでしょうか? 「個人目標は達成したので、もう営業しなくていいですか?」「営業の仕事を辞めて、別の部署に異動できませんか?」──こういった質問への適切な返しを考えてみましょう。 - なぜSFAへの記入漏れは減らないのか 米国企業に学ぶ「使えるSFA」設計
「SFAの入力が進まない」「SFAをうまく活用できていない」という声が多くの営業組織から聞こえてくる。どうしたら営業担当はSFAに記入してくれて、そのデータを営業活動に活用できるようになるのか? 米国企業が取り入れている方法を解説する。 - SFAが「レポートツール」になり下がる 使いこなせない営業組織が持っていない視点
日本企業の営業組織でも「セールステック導入」が一般的になってきた。しかし使いこなせていない組織が多いようだ。SFAを導入したのにただのレポートツールに成り下がっている話も聞く。セールステックを効果的に活用するためにはどうすればいいのか、解説する。 - グーグル出身「営業のプロ」が解説 組織力を上げる“3つの会議”
営業組織内で十分な成果を出せていないメンバーを育成するためには何が必要でしょうか? 営業の組織力を向上させるための「3つの会議」の重要性を紹介します。 - グーグル出身「営業のプロ」が解説 ”全体最適”を考えられない営業組織の「弱点」
日本式営業では、組織全体が機能して売り上げをつくっていくよりも個々の力に依存している傾向が強いです。個別最適を選択してしまっている営業組織が抱える「弱点」について解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.