スイーツ市場は横ばいなのに、シャトレーゼ「一人勝ち」のなぜ 不二家、コージーコーナーとの違い(1/3 ページ)
近年横ばいが続く、菓子市場。その中で一人、気を吐くのがシャトレーゼだ。不二家や銀座コージーコーナーといった競合が苦しむ中、なぜ「一人勝ち」できるのか。
近年、チェーンの洋菓子店が苦戦を強いられている。コンビニやスーパーのスイーツが価格面に優れ、質も向上しているためだ。不二家は路面店の縮小を続け、銀座コージーコーナーも業績が軟調に推移している。一方、同じ洋菓子チェーンのシャトレーゼは業界の動きに反して著しい成長を見せ、ついに国内外1000店舗を達成した。調べてみると、シャトレーゼがコンビニや他チェーンと直接の競争関係にならない強みが見えてくる。
スイーツ市場は横ばいも「街のケーキ屋さん」が減少
国内スイーツ市場は横ばいに推移している。矢野経済研究所の「和洋菓子・デザート類市場規模」によると、コロナ禍で若干落ち込んだとはいえ、2兆2000億円台前後をキープ。2021年度の数字を見ると、チャネル別の内訳はスーパーなどの量販店が4割ほど、コンビニが2割ほどを占め、以降は百貨店、専門店・路面店が続く。
昨今話題を呼ぶことが多いコンビニスイーツは、09年にローソンが発売した「プレミアムロールケーキ」が火付け役といわれ、10年代に市場規模を伸ばした。その他、大手洋菓子チェーンへの集約もあり、この間に個人が経営する、いわゆる「街のケーキ屋さん」は縮小していった。
近年は、コンビニ・スーパーの勢いによって大手の洋菓子チェーンも苦しめられている。不二家が展開する不二家洋菓子店は18年度から店舗数がV字回復しているものの、従来の路面店から売り上げがより少ない「納品店」への転換を進めている。
納品店はスーパーなどの店内に設置される店舗で、販売は納品先が担う。店舗網全体の3割以上を占めているが、1店舗当たりの売り上げが少ないため、店舗が増えても洋菓子事業の売上高は以前より減少している。その他、銀座コージーコーナーも19年3月期に最終赤字へと転落。コロナ禍では売上高が伸び悩んでおり、23年3月期の売上高は245億円だった。
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