マーケティング学習の「必読書44選」 300社超の大企業を支援したマーケターが推薦:トライバルメディアハウスの「マーケティングの学び方を学ぶ塾」(1/4 ページ)
マーケティング学習は奥が深い。何をどの順番で学ぶべきか、迷子になるマーケターも多いようだ。本記事では、300社を超える大企業のマーケティングを支援してきた筆者が、マーケティング学習の「必読書44選」を紹介します。
連載:トライバルメディアハウスの「マーケティングの学び方を学ぶ塾」
マーケティングはビジネスを成功に導く武器です。しかし、その領域は広範で専門性が高いことに加え、テクノロジーの進化や消費者ニーズの変化を常に反映させる必要があるため、簡単に扱えるようにはなりません。にもかかわらず、基本の学び方を理解せずに迷子になるマーケターが後を絶ちません。本連載では「マーケティングの学び方を学ぶ方法」を解説します。マーケティングの学習法を身に付けて初めて、マーケターのスタートラインに立つことができます。トライバルメディアハウスの「マーケティングの学び方を学ぶ塾」開校です。
前回は、学習(知る)のステップ、つまり「マーケティングの何をどの順番で学ぶべきか」を、私の考えるマーケティング学習の9象限マトリクスを用いて解説しました。今回は9象限ごとの推薦図書を紹介します。
本記事は前回の内容を踏まえた紹介記事になりますので、まだ読まれていない方はまず前回記事をご一読ください。
ステップ1(象限A):リアリティと流れを学ぶ
本ステップの目的は「マーケティングのダイナミックさを高いリアリティで感じること」です。そのため、何よりも「面白いこと」が重要です。推薦図書は3冊です。
・推薦図書1:森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』(KADOKAWA)
USJをV字回復させたことで有名な、刀の代表の森岡毅氏が著した抱腹絶倒のマーケティングドキュメントです。取り巻く市場環境、競合、限られた経営資源からどのような戦略の全体像を描き、大きな成果を出したのか。まずはこの一冊からスタートしてください。
・推薦図書2:佐藤義典『ドリルを売るなら穴を売れ』(青春出版社)
イタリアンレストランの経営を舞台に「何を売っているのか(ベネフィット)」「誰に売っているのか(ターゲティング)」「この商品でなければならない理由は何か(差別化)」「その価値をどうやって届けるのか(4P)」を、ビジネス小説の流れに沿って分かりやすく解説しています。
・推薦図書3:三枝 匡『決定版 戦略プロフェッショナル』(KADOKAWA)
マーケティングやセールスにとどまらず、事業(ビジネス)において、どのように競合と戦って勝利するかを圧倒的なリアリティとストーリーで学ばせてくれる一冊。映画を観ているような感覚で楽しめるはずです。
ステップ2(象限B):学習の全体感と課題感を学ぶ
本ステップの目的は、本格的な学習に入る前に、ステップ1とステップ3の温度差を無くすことです。そのため、「全体感がざっくりつかめる」ことと、「分かりやすいいこと」がポイントです。推薦図書は3冊です。
・推薦図書4:安部徹也『マンガでやさしくわかるコトラー』(日本能率協会マネジメントセンター)
幅が広く、ひとつひとつの奥が深いマーケティング理論の全体像を分かりやすく学ぶにはマンガが最適です。まず本書で「全体像」を「ざっくり」把握してください。
・推薦図書5:西口一希『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)
マーケティング学習で樹海に入り込み、「学ぶ」と「できる」の間に存在する壁を乗り越えられない多くの初学者に「正しい学び方」を伝授してくれる一冊。分かりやすさは折り紙付きです。
・推薦図書6:アル・ライズ、ジャック・トラウト『マーケティング22の法則: 売れるもマーケ 当たるもマーケ』(東急エージェンシー)
「一番手の法則」「知覚の法則」「集中の法則」など、「実態としてそうなっている」という「マーケティングの法則」を学べる一冊。ひとつひとつの法則は「点」ですが、このタイミングでこれらの「点(法則)」を学んでおくと、ゆくゆく脳内で「線」としてつながりやすくなります。全ての法則が事例をベースに解説されているため、難解さはなく、膝をたたきながら楽しく学べるはずです。
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