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都会の限界集落「都営桐ケ丘団地」は今 かつて「マンモス団地」と呼ばれた(3/3 ページ)

人口の50%以上を65歳以上が占める「限界集落」と化す事例が地方だけでなく、東京都内にも広がり始めている。高度経済成長期に建設された集合住宅で、半世紀以上の時を経て高齢化が進行。建設当時は若い住民や子供の笑い声であふれた団地も、住民の高齢化や施設の老朽化、店舗の撤退などにより、社会生活の維持が困難になる場合があるという。そんな団地の一つ、都営桐ケ丘団地(東京都北区)を訪ねた。

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産経新聞
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「まちづくり早急に」

 そんな桐ケ丘団地に、建て替えの波が押し寄せている。

 北区は建物の解体と合わせ、住宅や公園、にぎわい拠点などを整備し、新たな生活拠点を担うまちづくりを進めていく計画といい、まちづくりに関する動画をインターネットで公開するなど、区民への理解活動を進めている。

 建物を管理する都は、平成8年から順次、解体工事を進めており、既に8割にあたる4千戸以上が「解体済み」や「解体中」となっている。

 都は工事完了の目途を明らかにしていないが、往時をしのばせる桐ケ丘団地を見られる時間もそう長くはないかもしれない。

 人口動態に詳しい政策研究大学院大学の松谷明彦名誉教授は「限界集落の問題は地方に限った話ではなく、都市部の古い大型団地でも深刻」とした上で、「行政は移動や買い物の機会確保などの現在の住民に対するケアと並行して、都市計画の改革や今より若い世代の呼び込みなど、数十年後を見据えたまちづくりに早急に取り組まなければならない」としている。(川島優治)

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