ゲームビジネスの収益モデルは? 任天堂とソニーは重要な“場所”を押さえている:ビジネスモデルが分かる(1/5 ページ)
基盤型プラットフォームとは、例えばゲーム機とゲームソフトの関係のように、補完製品(ゲームソフト)が存在することを前提とする製品・サービスの基盤部分(ゲーム機)を担うビジネスモデルです。
【基本コンセプト】
基盤型プラットフォームとは、例えばゲーム機とゲームソフトの関係のように、補完製品(この例ではゲームソフト)が存在することを前提とする製品・サービスの基盤部分(この例ではゲーム機)を担うビジネスモデルです。ここでは、その基盤を担っている製品・サービスのことを「プラットフォーム製品」と呼びます。このビジネスモデルには次の2つの特徴があります。
- 製品としての機能は、補完製品とプラットフォーム製品を“一緒に利用する”ことで発揮される
- 顧客はプラットフォーム製品と補完製品とをそれぞれ異なる事業者から購入できる
より具体的にいうと、基盤型プラットフォームとは「各種の補完製品と合わさって顧客の求める機能を実現する、基盤となる製品」といえます。例えば、ゲーム機の場合は、ゲームソフトと合わさってはじめて顧客のニーズを満たします。
なお、基盤型プラットフォームの補完製品は1つとは限りません。例えば、WindowsやmacOSのようなパソコンのOSも基盤型プラットフォームですが、パソコンのOSはPDFやウイルスソフトのようなアプリケーション、パソコンの本体(ハードウェア)、USBメモリのような周辺機器と合わさって顧客のニーズを満たします。
いずれにせよ、ビジネスモデルの構造上、ある製品における顧客ニーズを実現するための“最も重要な基盤”を押さえていることが重要となります。
ちなみに「剃刀の本体」と「替え刃」の関係は、一見すると、基盤型プラットフォームと補完製品のように見えますが、双方を「同じ企業」が提供しており、かつ基本的には顧客に選択権がないため、基盤型プラットフォームではありません。
基盤型プラットフォームを正しく理解するためには、基盤型プラットフォームとなっている多くの製品は、媒介型プラットフォームとしての機能も同時に持つ、という点に注目することが必要です。上述したように、ゲーム機はゲームソフトを補完製品とする基盤型プラットフォームですが、オンライン対戦ゲームのようなユーザー間のコミュニケーションを仲介するという媒介機能も有しています。こうした媒介機能の提供によって、基盤型プラットフォームとしての価値も向上するというのが重要なポイントです。
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