航空会社のJALが「クラフトビール」を開発 JALラウンジの“余ったお米”に目をつけた:非航空事業を展開(1/4 ページ)
JALは、空港ラウンジの余剰米をアップサイクルしたクラフトビールを発売した。JALは航空会社なのに、なぜこのような事業を……?
JALは、空港ラウンジの余剰米をアップサイクル(作り替え)したクラフトビール「Japan Arigato Lager」(6本セット:4800円)を3月1日に発売した。フードロス削減を目的とする同商品は、スタートアップ企業との協業で非航空事業を創出する「JAL Wingman Project」で誕生した。
社外企業と共創し、非航空事業に取り組む
JALは、2025年までの中期経営計画を策定し、ESG戦略を推進することで価値創造を実現し、中長期的な成長を目指すとしている。その目標に向けた取り組みの一つが、23年度より始動した「JAL Wingman Project」だ。
同プロジェクトは、JALグループと事業を共創していくパートナーを社外から募集し、コンテスト形式で開催する。選ばれた社外パートナーと中長期的に新しい価値を作り出すことを目的とし、最優秀賞を獲得した企業には、実証実験などの費用サポートとして最大1000万円(人件費除く)と航空券を用意するほか、6カ月間の試験協業、24年度以降の中長期的な協業も検討する。
同プロジェクトの狙いについて、事業開発部 JALイノベーションラボ アシスタントマネジャーを務める岡田千咲氏は「非航空領域での新規事業開発と、オープンイノベーションの活性化」と説明する。
プロジェクト初年度だった23年度は、52社が応募した。書類選考、面接、最終ピッチコンテストを経て、ビア・ザ・ファースト社(横浜市)が最優秀賞を獲得。廃棄直近の食材を生かしたクラフトビールを開発・製造する同社を選出した理由は「JALが経営戦略の最上位に据えているESG戦略に合致していたこと、事業の実現可能性が高かったことが最大の決め手」(岡田氏)だった。
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