クセになるスープがドライバーを魅了! 「ラーメン山岡家」がコロナ禍明けで一気に成長できたワケ(1/3 ページ)
ラーメンチェーン「ラーメン山岡家」の成長が著しい。他のラーメン店とは一線を画す運営方針も影響しているとみられる。あらためて、コロナ明けに絶好調の要因を探っていく。
濃厚な豚骨スープで知られる「ラーメン山岡家」は、チェーンでありながらセントラルキッチンを持たず店内調理にこだわってきた。また、都市部に進出せずロードサイドへと出店し、創業当初から24時間営業を続けている。
独特ともいえる路線を歩んできた山岡家だが、これが功を奏してか特に近年は著しく業績が伸びている。山岡家のビジネスモデル、そして近年の好調な業績についてまとめていく。
他チェーンとは一線を画す、ブレない3つの方針
赤色の背景に白文字で「ラーメン山岡家」と書かれた看板が特徴の山岡家は、グループ全体で184店舗を展開する(2024年3月時点)。北海道や東北、北関東を中心に西日本のロードサイドに展開している。300坪以上の立地への出店を基本とし、一部店舗では大型トラック用の駐車場を構える。都内では多摩エリアの1店舗しかなく、都心には店舗を構えていないため、東京での知名度は低いかもしれない。
ほとんどの店舗が24時間営業となっており、それ以外の店舗でも午前11〜翌午前3時のように、深夜まで営業しているのが特徴だ。また、チェーン店といえば効率を求めるためセントラルキッチンを構えるのが基本だが、山岡家は店内調理を行っている。
具体的には、業者から購入した濃縮スープに加水して提供するのではなく、店内で豚骨を丸3日間煮込み続け、4日目に提供している。こだわりの製法をとることで、山岡家独特のスープができているわけだ。店内で煮込み続けられるのは24時間営業ならではといえるかもしれない。
以上のように「ロードサイド出店」「24時間営業」「セントラルキッチンレス」という3点が、山岡家の特徴である。上場当時の06年の決算資料でも上記の方針に関する記載があることから、長きにわたりこの方針を取ってきたことが分かる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- なぜ「かつや」に何度も通ってしまうのか 男性客を虜にする「100円割引券」戦略に迫る
とんかつチェーン「かつや」の店舗数が増え続けている。成長してきた理由はいくつもあるが、筆者は「100円割引券」に注目する。その理由とは? - 同じ中華チェーンでも結構違う! 「餃子の王将」と「大阪王将」のビジネスモデルを分析してみた
かつて餃子の王将から生まれた大阪王将。似ているように見えるが、意外と双方の違いは多い。一方、最近では大阪王将で“先祖返り”につながりそうな動きも出てきているようで。