ユニクロが展開する古着・リメーク商品の狙いは? 実際に見て「ある程度売れるかも」と思ったワケ(3/3 ページ)
ユニクロが、実験的に古着の販売を始めている。2023年に続き、第2弾となるポップアップストアを2店舗で設置。果たして今後、ユニクロの新業態となっていくのだろうか。
古着の回収を20年近く続けている
ユニクロは06年に、全商品が対象服となる回収活動を開始。現在では、ファーストリテイリングが運営するGUも含め、各店舗で古着の回収を行っている。回収した服は難民キャンプや被災地への支援に使うなど、もともとは人道支援に関連する活動が主だった。
昨今は世の中の潮流を反映してか、有効活用の幅を広げたり、古着を商品化したりする動きがみられる。20年9月には、回収した古着をリユース・リサイクルするプロジェクトのRE.UNIQLOを開始。回収したダウン商品の素材を活用した「リサイクル ダウンジャケット」を同年11月から販売している。
22年11月にはサステナビリティに関する説明会を実施し、ビジネスモデル全体で循環型経済の実現を目指す方針を掲げた。そして23年10月に、UNIQLO古着プロジェクトとしてポップアップストアの第1弾を開催した。
第1弾で販売した商品も、リユース品とリメーク品だ。しかし、ユニクロの取り組みを取材した記事『ユニクロが海外展開先で聞かれた衝撃の一言「わが国に何をしてくれるのですか」』によると、古着商品をただちに多店舗で展開することは考えていないという。各店舗でのトライアルを通じ、事業化の可否を検討していくようだ。
第2弾となった今回、原宿店のような駅前の店舗ではなく郊外の店舗で実施した背景には、ロードサイドの需要を見極めたい思惑があるのかもしれない。今回は第1弾よりも長期間にわたって開催する予定だが、果たして第3弾、第4弾と実証店舗は増えていくのだろうか。売れ行き次第では、古着販売がユニクロの新定番となり、全店でリサイクル・リメーク品を扱い始めるかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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