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「離れて見てね」を教えてくれる キングジムの「めまもりん」が面白い分かりにくいことを分かりやすく(3/5 ページ)

裸眼視力1.0未満の小学生の割合は37.88%――。年々上昇する傾向にあるが、子ども近視対策としてキングジムが開発したのが「めまもりん」。一体どういうものなのか?

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仕様が決まるまで数カ月を要したクリップ

 細部を詰めていったことで大きく変わったのは本体のサイズ。「めまもりん」のサイズはクリップを含め高さ60×幅64×奥行36(単位:mm)だが、最初は現在より一回りほど大きかった。

 サイズを見直したのは、よりスタイリッシュにするため。内部構造を見直しスイッチ類も減らしたほどだった。当初は電源スイッチとブザーのON/OFFスイッチが分かれていたが、小型化の一環で両者を一体化した。


本体上面にある「めまもりん」唯一のスイッチ。電源スイッチとブザーのON/OFFスイッチを兼ねている

 パーツで最も試行錯誤を重ねたのがクリップ。当初、使わない時は本体底面に折りたたんでピタッと収まるものを考えていた。しかし、タブレットなどのデバイスを挟む強度を担保できないことが分かり軌道修正。小型化した上で現在のように背面にやや斜めに取り付けた。


本体を側面から見たところ。クリップがやや斜めに取り付けられていることが分かる

本体を背面から見たところ。机などに置いて使う時のスタンドが格納されている

 「クリップは本体と同時進行で検討していましたが、一番時間がかかったところでした。決まるまでに数カ月はかかっています」と振り返る小島さん。「内部の仕組みやプログラムは結構単純だったものの、クリップのような物理的なパーツは大変でした」と明かす。

 このほかにクリップで苦心したことは、滑り止めと傷つけ防止のために設けられたシリコン製パーツの取り付けである。挟むとデバイス本体に触れるグレーの部分のことで、当初は薄いシートを貼る考えでいたが、使っていくうちに剥(は)がれる懸念が生じた。

 剥がれたら滑り止めと傷つけ防止という目的が達成できなくなり、見栄えも悪くなる。剥がれたシートを子どもが誤飲する恐れもあった。

 そこでデザイナーや協力会社と検討。シートを貼るのではなく、立体成型したパーツをはめ込む形にした。


スタンドを引き出すと表れる、クリップ先端のシリコンパーツと本体の接合部。立体成型されたシリコンパーツがクリップの奥深くまで差し込まれていることが分かる

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