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なぜ外国人投資家は日本株に資金を移しているのか(2/2 ページ)
株式市場に関するニュースを見ていると、「外国人投資家が買い越した」といった表現を目にすることがある。なんとなく聞き流してしまう表現だが、どのような投資家を指しているのだろうか。
そこにはいくつかの理由がある。1つ目は、23年に東証からPBR(株価純資産倍率)の低迷を改善するように要請が出たことで多くの日本企業が自社株買いや配当を増やすなどの対策を取ると期待されたこと。2つ目は賃上げと物価上昇の好循環が確認され、デフレ脱却が実現する期待感が醸成されたこと。3つ目は中国経済の不調で資金の逃避先として日本が選ばれたことだ。
日経平均株価はバブル後の最高値を更新し、一時4万円の節目も越えたが、今後も上昇するかどうかは外国人投資家の動向に左右される。既に株価が上昇を続けてきたことで、割安感は薄れてきているため、多くの企業が決算を発表する5月頃に大幅な増益予想が発表されるかがポイントだ。
3月に日銀がマイナス金利政策を解除したが、金融政策の転換がデフレ脱却を阻害すれば外国人投資家は売りに回るだろう。年始からの上昇トレンドが一服しつつあるいま、外国人投資家と同じ目線で企業業績や政策を見直してみたい。
森永康平(もりなが こうへい)
経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。
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