SDVで「ニッポン出遅れ」論が意味すること:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/8 ページ)
このところ静かなブームとなりつつあるのが、日本の「SDV出遅れ」論だ。何としてでもニッポン出遅れの材料を探し続けるその熱意には感服至極である。要するに、SDVに出遅れた日本の自動車メーカーが、絶望的な窮地に陥(おちい)ると言わんばかりのことを記事にする媒体が現れて、新たなトレンドになりそうな気配がしている。
「EV出遅れ」「OTA出遅れ」「自動運転出遅れ」「水平分業出遅れ」などなどに続き、このところ静かなブームとなりつつあるのが、日本の「SDV出遅れ」論だ。何としてでもニッポン出遅れの材料を探し続けるその熱意には感服至極である。
要するに、SDVに出遅れた日本の自動車メーカーが、絶望的な窮地に陥(おちい)ると言わんばかりのことを記事にする媒体が現れて、新たなトレンドになりそうな気配がしているのだ。その一連の流れが筆者的には全く腑(ふ)に落ちないのである。
そもそも今までと比べてSDV出遅れ論がちょっと弱いのは、破壊的イノベーションとの結びつきが直感的にイメージしにくいという点にある。EV出遅れの時はスマホとガラケーをうまいこと当てはめて説明してきたわけだが、今回は話が難しすぎてそうそう簡単にはいかない。
しかも、そのSDVができるとクルマはどう進化するのかをきちんと定義して説明できる人がいない。なんとなく「SDVという未知の破壊的イノベーションがやってくるので対応しないとヤバい」という雰囲気優先の筋書きだ。SDVによって、価値あるユーザー体験として何がどう変わるのかがさっぱり分からない。それを具体的に伝える記事に出会ったことがないにもかかわらず、この世の終わりとばかりに警鐘を鳴らすところに大きな違和感がある。
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