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スバル、山崎製パン、キリン……相次ぐ“事故” 問題の根っこに何がある?:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
2月にはスバルや山崎製パン、4月にはキリンビールの工場でも、事故死が発生している。なぜ今、「工場死」が相次いでいるのか。
突出して非正規労働者比率が高いのは
実は製造業は、飲食店や宿泊業、小売業などと比べて非正規雇用の比率が低い。しかし、そんな製造業の中で突出して非正規労働者比率が高いのが食品製造業だ。
農林水産省発行の『食品産業の働き方改革 早わかりハンドブック』によれば、全産業が31.1%のところ、製造業は12.6%。しかし、これは食品製造業になると非正規労働者比率は50%に跳ね上がる。
それがよく分かるのが、山崎製パンだ。
2023年12月期の有価証券報告書によれば、山崎製パン本体の従業員1万9446人の中で臨時従業員数(年間平均雇用人員)は6601人と3割ほど。それが連結会社になると、3万554人の中で臨時従業員(同上)は1万9144人と62%に及ぶ。
あれほどおいしいパンが、びっくりするほどお求めやすい低価格で世に送り出せるのは、この会社を支える大量の非正規労働者の皆さんが「低賃金重労働」に耐えてくれているからなのだ。
そして、このような非正規労働者の皆さんがノーと言えない「弱い立場」であることは言うまでもない。社員の管理者から「やれ」と言われたらそのノルマをなんとか達成しなくてはいけない。正社員と違って、業績が悪くなったり事業が縮小したりすればあっさりクビを切られる人々が、自分の身を守るには「何を言われても嫌な顔せず従う従順な作業員」を演じるしかないのだ。
こんな不平等な労使関係では、災害が起きやすいことは言うまでもない。
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