もはや子どものおこづかいじゃ買えない? コンビニ各社が「高級アイス」に注力する納得の事情(1/5 ページ)
コンビニ各社が高級アイスへのシフトを始めている。一体どのような背景で進め、どんな取り組みをしているのか。現地調査を交えて考えてみた。
最近コンビニのアイスクリームの品ぞろえに変化が生まれています。以前と比較して高級化が進んでおり、100円台はおろか、200円台でも買えない商品が続々と出現しています。なぜ、コンビニアイスがこれほど高級化しているのでしょうか。そして、誰が買っているのでしょうか。どうやら、コンビニのアイスクリームの品ぞろえは日本人の嗜好(しこう)の変化に合わせて変化しているようです。
消費トレンドを追いかけ、小売り・サービス業のコンサルティングを30年以上にわたり続けているムガマエ代表の岩崎剛幸が分析していきます。
高まるエンゲル係数 40年ぶりの高水準
国内のエンゲル係数が高まっており、40年ぶりの高水準に達しています。エンゲル係数とは、家計の総支出に占める食費の割合です。総務省「家計調査」によると、国内のエンゲル係数は29.0%(2022年9月〜23年8月までの1年間平均)。物価高で身の回りのあらゆる物が高くなっていますが、特に毎日の買い物で利用する食品関係の価格が上がってきたことが影響しています。
私たちの食生活が年々豊かになり、食事の内容自体がバラエティーに富んでいることも背景にあるでしょう。今や日本の小売業は、食品の品ぞろえを欠いては店が成り立たないほど。食品は最重要カテゴリーになっています。
日本人の食費支出金額の中で、構成比をじわじわと上げてきているカテゴリーがあります。それがアイスクリームです。大きく日本人の食生活は「肉食化」「間食化」「中食化」という変化を遂げており、中でも間食化の流れは年々強まっています。
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