コラム
もはや子どものおこづかいじゃ買えない? コンビニ各社が「高級アイス」に注力する納得の事情(2/5 ページ)
コンビニ各社が高級アイスへのシフトを始めている。一体どのような背景で進め、どんな取り組みをしているのか。現地調査を交えて考えてみた。
最も市場規模が大きいアイスのジャンルとは?
特に消費が増えているのが、チョコレート・スナック菓子・ビスケット類・洋菓子、そしてアイスクリームです。中でもアイスクリームは、ここ10年で年間消費支出金額を大きく伸ばしています。
2014年に8006円(2人以上世帯の家計消費支出)だった支出は、2023年に1万1580円と、3500円も増えています。食費内構成も0.88%から1.11%に増加し、確実に存在感が高まっています。
B2Bの製造販売金額で見たアイスクリームの市場規模も、多少の上下はあるものの、市場は拡大傾向にあり、国内では5500億円市場となっています。製造原価や経費が上がって販売価格の改定が相次いだこともあり、1リットル当たりの単価も上昇傾向にあります。これに合わせて、商品そのものに付加価値をつけた商品開発も増えてきています。
アイスクリーム協会が算出している市場規模によると、国内で最も規模が大きいのは「マルチパック」といわれる、1箱に複数のアイスが入っているタイプの商品です。「お徳用」として品ぞろえしている店舗も多く、店としてもメーカーとしても、単価を上げて売り上げを確保できる商品のため、最も売れる商品カテゴリーになっています。
その他、業務用も2ケタ以上の伸びを見せているだけでなく、さまざまなタイプで前年比が伸びています。つまり、ほぼ全領域で規模が拡大しているのです。
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