結局、店員が常駐……日本の「もったいないセルフレジ」【小売りヒット記事3選】:ヒット記事ダイジェスト
ITmedia ビジネスオンラインでは、長年、小売業のDX支援を手掛けてきた郡司昇氏の連載「がっかりしないDX 小売業の新時代」を展開しています。今回は、2024年1〜3月に公開された記事から、特に読まれたヒット記事3本をダイジェストで紹介します。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで、セルフレジの普及が進んでいます。背景にあるのが小売業界の人手不足です。従業員1人あたりの業務量が増えるなか、セルフレジで業務効率化を図ろうと、導入を検討する小売店舗が増えています。
一方で、セルフレジであるにもかかわらず、付近に店舗スタッフが立ち、案内係を務めている光景もよく見かけます。なぜそんな、一見矛盾したケースが生じているのでしょうか。
ITmedia ビジネスオンラインでは、長年、小売業のDX支援を手掛けてきた郡司昇氏の連載「がっかりしないDX 小売業の新時代」を展開しています。今回は、2024年1〜3月に公開された記事から、特に読まれたヒット記事3本をダイジェストで紹介します。
セルフレジに店員が常駐する日本 米小売業との違いは?
米国では、小売店舗に十数台〜数十台あるセルフレジの監視兼サポート担当者はゼロ人か、1〜2人であることがほとんどだと郡司氏は指摘する。
米国の小売店舗が日本より圧倒的に少ないセルフレジ担当者で運用できる理由の一つとして、郡司氏は「エラーの発生率」に注目する。
万引などを阻止する目的で、日本では不正チェックに重量センサーを重視している企業が多く、その結果、ちょっとした置き方の違いなどでエラーが発生し、レジ担当者がエラー解消に駆け付ける回数が増える。
一方、米国では不正チェックは防犯カメラに注力。監視映像を、セルフ決済している客の目に入る場所に置くなどし、心理的な抑制効果を狙っているという。さらに、多くの企業ではAIを活用して過去の購買行動を含めた動作に不審な点があるかどうかでふるいにかけているケースが増えているという。
ほかにも、顧客体験の向上に直結する「操作手順の自由度」や、万引やスキャン漏れを防止する工夫なども米国と日本の小売店舗で違いが見られると郡司氏は解説する。
レジ待ちの不満解消? 「ついで買い」で売り上げ増を狙う米小売店の戦略
列に並ぶ待ち時間の発生や、店員の対応など、レジは顧客の不満が最もたまりやすい場所だ。そんなレジにひと工夫を加えることで不満を解消し、反対に「ついで買い」を促すことで大幅な売り上げ増につながるケースもあるという。
記事では、レジの待機列をベルトバリヤーなどで区分する代わりに、低めの商品陳列棚で区分することで「ついで買い商品」を並べる工夫を凝らす米Walmart(ウォルマート)の事例などを紹介している。
普及が広がる「スマートショッピングカート」の実力は?
スーパーのショッピングカートにタブレット端末が搭載された「タブレットカート」を導入する店舗が、国内でも増えている。カートに取り付けられたスキャン機能の付いたタブレット端末で、来店客自らが購入する商品の登録作業を行い、カートもしくはレジで決済作業をする仕組みだ。
セルフ会計の大きな課題に、万引や意図せぬスキャン漏れなどがあるが、タブレットカートを導入する小売業各社は、これらの課題をさまざまな手段で解消しようとしている。記事では、九州に本拠を置くスーパー、トライアルの「スマートショッピングカート」や、AmazonのAIレジカート「Amazon Dash Cart」など国内外のタブレットカートを紹介している。
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