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はて? 大都会にある「サンシャイン水族館」の海水はどこからくるのか 担当者に聞いた週末に「へえ」な話(2/5 ページ)

東京の池袋にある「サンシャイン水族館」。周囲はビルだらけで海から遠いのに、どこから海水を運んでいるのか。取材したところ、いろいろなことが分かってきて……。

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地下に巨大な貯水槽あり

 バラスト水を搭載した貨物船が到着するのは、東京・港区の「芝浦ふ頭」である。そこからどのようなタイムスケジュールで、水族館に海水を運んでいるのか。

 例えば、芝浦ふ頭に、貨物船が朝の6時00分に到着したとしよう。海水は専用のトラックで運ぶので、そこに移し替えるのに20分ほどかかる。トラックの荷台に海水がたっぷりたまるのは、6時20分ごろ。その後、水族館に向けて出発し、7時00分ごろに到着。トラックから地下の貯水槽へ移すのに、20分ほどかかる。

 一連の作業は1時間20分ほどかかって、7時20分に終了。こうした作業を1日に1〜4回行っていて、複数回の場合は、芝浦ふ頭に戻って、貨物船から海水を移し替える……といった繰り返しである。


専用のトラックで海水を運んでいる

貯水槽に蓄えられた海水は約60メートル上に

 貯水槽に蓄えられた海水は、ポンプを使って約60メートル上の水族館に。いったん大きな水槽にためて、そこから各水槽にワケワケしていくといった流れである。

 ちなみに、地下にある貯水槽はどんなところなのか。トラック1台で17トンの海水を運び、それをためる水槽内の容量は300トンほど。数字を出されてもイメージできない人も多いかもしれないが、25メートルプール(幅10メートル、深さ2メートルの場合)で使う水の量とほぼ同じといえば、頭の中で大きさが浮かぶかもしれない。

 ところで貯水槽とはどんなモノなのか、ちょっと気になったので見せてもらった。詳しい場所はお伝えできないが、とある場所にマンホールがあって、そこを開けると巨大な水槽がどーんと姿を現す。海水をくみあげる際、たまにクラゲなどが含まれていることがあって、水槽の中でフラフラ泳いでいることもあるそうだが、取材時には見られなかった(残念)。


サンゴ礁の海

洞窟に咲く花

 貯水槽を満タンにすることはほぼなく、一定の基準を意識しているそうだ。台風など海が荒れたときには船が出航できないので、海水が入ってこなくなる。となれば、基準を下回る日が続くわけだが、どのように対応しているのか。「水槽で使う海水の量を調節しています。普段よりも少なくても大丈夫な水槽は節水して……といった感じですね」。地下の海水が枯渇しないようにうまくやりくりするのも、担当者の重要な仕事のようだ。

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