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レンタルビデオ→書籍→? 「SHIBUYA TSUTAYA」オープンのCCC、二度のピーク経て変化を続けるビジネスモデルに迫る(3/5 ページ)

渋谷の店舗を刷新して「新しい文化の聖地」を目指すSHIBUYA TSUTAYAがオープンした。レンタルで一世を風靡してきたTSUTAYAは今、どのような成長戦略を描いているのか。

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「書店」ではなく本を軸にしたレジャー施設を展開

 TSUTAYAが手掛ける書店の代表格であり原型は、2011年に東京・代官山で1号店をオープンした「蔦屋書店」にある。スタバを併設し、ライフスタイル提案型書店として本とともにさまざまな雑貨やアクセサリーを販売する店舗だ。


2011年にオープンした代官山蔦屋書店(同前)

 旅行本コーナーには実際に旅行会社が窓口を置くこともある。本の陳列も特徴的だ。一例として、通常の書店では新書専用のコーナーを設けるが、蔦屋書店では新書を各コーナーに分散し、ハードカバー本と同じ棚に並べている。「目的買い」ではなく、ドン・キホーテやヴィレッジバンガードのように商品を発見する偶然性を楽しむための店舗という狙いが見える。

 また、代官山店は書店を含む敷地全体が「T-SITE」として、ベーカリーや雑貨店の他、クリニックも内包している。ラウンジにはバーカウンターもあり、従来の書店らしからぬアルコールも楽しめる空間となっている。

 現在、CCCはこのような形式の蔦屋書店を国内で21店舗展開している。2015年にオープンした東京・二子玉川の「蔦屋家電」も同様にライフスタイル型の店舗だが、その名の通り家電のコーナーを設けているのが特徴だ。3万円以上するバルミューダのトースターなど、ハイブランドの家電を取りそろえる。

 2016年に、同社発祥地である枚方にオープンした「枚方T-SITE」は8階建てのガラス張りのビルに、吹き抜けのある高い本棚が印象的だ。蔦屋書店の他にもアパレルや化粧品店、銀行や保険ショップなどがあり、デパートのような構造になっている。8階にはレストラン街もある。

 蔦屋書店には本の購入だけでなく、単に遊び目的で立ち寄る消費者も多く、書店というよりも、本をインテリアにしたレジャー施設といえる。CCCはスターバックスとライセンス契約を結んでおり、全国の併設型店舗ではカフェもCCCの収入源となる仕組みだ。T-SITE内のアパレル店や飲食店からはテナント料も得ているのだろう。

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