レンタルビデオ→書籍→? 「SHIBUYA TSUTAYA」オープンのCCC、二度のピーク経て変化を続けるビジネスモデルに迫る(4/5 ページ)
渋谷の店舗を刷新して「新しい文化の聖地」を目指すSHIBUYA TSUTAYAがオープンした。レンタルで一世を風靡してきたTSUTAYAは今、どのような成長戦略を描いているのか。
冷凍食品やアルコールを楽しめる「高級コワーキングスペース」
蔦屋書店に似た事業として、CCCは図書館事業にも参入している。2013年に、その第1号として佐賀県の武雄市図書館の指定管理者となった。通常の図書館のように基本は貸出サービスを提供するが、併設する蔦屋書店では本も買える。スタバも館内にあり、指定エリアでは購入したコーヒーも飲める。
こうした図書館は他にも、神奈川県海老名市や山口県周南市など、全国各地で展開している。2015年当時は、古い本やタイの風俗情報に関する本が並んでいるなど選書が炎上したが、現在では下火になっているようだ。
他にも、2019年からコワーキングスペース事業として「SHARE LOUNGE」を展開。各地の蔦屋書店や、TSUTAYA BOOKSTOREに併設する形で店舗数を増やしている。都内にある六本木 蔦屋書店の場合、ソフトドリンク飲み放題込みの基本料金は1時間1650円、1日利用で4950円だ。月額のフルタイムプランでは5万5000円と、高級コワーキングスペースに位置付けられるだろう。
このように、従来のレンタルから多角化を進めたCCCは2011年以降に規模を拡大。「カメラのキタムラ」などの子会社化も進め、売上高(連結)は2011年3月期の約1699億円から、2019年3月期は3607億円にまで膨らんだ。会社規模として第2次ピークを迎えたことになる。
現在は株式非公開のため業績への貢献度は不明だが、2008年に3000万人を超えたT会員数は2014年に5000万人、2019年には7000万人を突破しており、この間におけるTポイント事業の成長も同社の規模拡大に貢献していると見られる。
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