コラム
なぜ、3年で4回も値上げしたココイチが好調なのか 客単価1000円を突破、驚くべき“太客”の存在(4/4 ページ)
カレーチェーンのココイチが好調だ。過去に何度も値上げし、決して「安い」チェーンではないにもかかわらず、なぜ業績が伸びているのか。
カレーを中国の“人民食”へ
今期(2025年2月期)について、国内ココイチの既存店業績は前期比で客数が103.1%、売上高は105.9%を見込んでいる。コロナ禍前と比較すると客数は91.7%だが、反対に売り上げは108.8%の計算だ。値上げで一部の客が戻らなくなったものの、値上げを受容する客の存在により好調を維持できると見立てている。
海外ではアジア圏に出店しており、2023年9月には北米進出を果たした。約40店舗を展開する中国本土では、今後上海でのドミナント出店を推進する。実は壱番屋の株のうち、過半数をハウス食品が握っている。ハウス食品は2005年に現地で「百夢多カレー(バーモントカレー)」を発売するなど、上海を軸にカレーの普及に努めてきた。
ココイチ上海法人の出資比率はハウス食品と壱番屋でそれぞれ、6割と4割であり、スーパーでの食品販売とココイチの両軸でカレーを“人民食”にすることを目指しているという。現地ではオムカレーが人気だが、日本と同じトッピングシステムも健在だ。ココイチの自由度が上海でも人気となれば、新たな成長のエンジンになるだろう。今後に注目したい。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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