「値上げ=客離れ」はどうなった? ココイチの業績が好調なワケ:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
「1000円を超えるなんて、高い」「高級路線にかじを切ったのか」――。数年前からカレーチェーン「ココイチ」が、SNSで叩かれている。しかし、直近の決算を見ると、好調の数字が並ぶ。なぜギャップが生まれているのかというと……。
「こんなに値上げばっかりしていたら、ココイチ離れで閉店ラッシュが始まるんじゃね?」「ちょっとトッピングしたら、1000円余裕で超えるなんてありえないだろ!」「これまで毎週行っていたけれど、高級路線にかじを切ったのでもう行かない」
なんて感じで数年前からネットやSNSでボロカスに叩かれていたココイチが好調だ。
10月6日、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋は、2024年2月期連結決算の業績予想を上方修正した。4月時点と比べると、売上高は21億円多い551億円で、これは同時期の過去最高を見込んでいる。
これには納得がいかない人も多いだろう。「何かの間違いでは?」と疑う人もいるかもしれない。
ご存じの方も多いだろうが、かつて「安くてうまいカレー」の代名詞だったココイチは、今やネットやSNSの辛口ユーザーから「高級化路線を進むコスパの悪いカレー」とディスられている。分かりやすいのは、以下のような掲示板のスレッド名だろう。
『大手カレーチェーン「CoCo壱番屋」 年に2回の値上げにファンの悲鳴、深刻化するココイチ離れ「庶民の味とは言えなくなってきている」』
こういう指摘を受けて、今回の決算で葛原守社長も「高級志向にもっていくことは、まったく考えていない。大衆的な街のカレー屋さんでありたい」と強調しているが、ネットやSNSの反応は厳しい。決算のニュースでも「ココイチ好きだけど1000円出す価値はないわ」「喫茶店のカレーのほうが安くてうまい」など、ココイチに何か恨みでもあるのかというほど辛辣(しんらつ)な論評コメントが並ぶ。
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