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衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由:スピン経済の歩き方(4/7 ページ)
シャープが、テレビ向け大型液晶パネルの生産を2024年9月末で終了すると発表した。同社はまるで「世界の変化に対応できず」衰退していく「日本そのもの」のようだ。なぜかというと……。
なぜシャープはSDPを買い戻したのか
疑問なのは、なぜシャープは「SDP買い戻し」という「負けが見えている戦い」へのめり込んだのかということだろう。
オフィシャルに語られている大義名分は「中国が米中貿易摩擦の最中にあることから(中略)SDPは米州市場向けのパネル供給において優位性が期待できる」ということだ。確かに、米国大統領選挙でトランプ氏が復権して同国が強硬に中国製品を排除した場合、BOEやCSOTの抜けた穴を、SDPが奪うというシナリオは考えられる。
ただ、本質的なところでは、鴻海が「シャープの過去の栄光」にしがみついてしまったことが大きいのではないかと筆者は見ている。
鴻海は買収してからも、ことあるごとにシャープというブランドを大事にすると明言してきた。売却されたシャープ本社を買い戻すと宣言してみたり、欧州でライセンスを売却していた会社から、やはりライセンスも買い戻したりするなどブランド戦略に力を入れていた。
しかしそのような努力もむなしく、残念ながら「シャープ」というブランドの再興まで至っていない。海外の液晶パネル市場でかつてのような存在感を取り戻すこともできていない。
そんな風に買収のシナジー効果がなかなか得られない鴻海をさらに焦らせたのが、ライバルである中国の家電大手・海信集団(ハイセンス)の動向だ。
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