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誰かに相談することは本当に意味があるのか――事業戦略のプロが20年相談をし続ける理由ビジネスを成功に導く「相談の力」(2/4 ページ)

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相談には「成功」も「失敗」もない

 「相談の効果は分かるが、そうは言っても相談するのが苦手」という方も多いかと思います。私からお伝えしたい考え方は、相談には「成功」も「失敗」もないということです。

 相談を成功と失敗に分けてしまう背景には、相談の成果を「短期的」に捉える傾向があります。短期的な成果が出たら成功、出なければ失敗と思ってしまうのです。一方、私は相談を「中長期」のスパンで見ています。

 「あのとき、〇〇さんに相談したからこそ知識や経験の蓄積ができ、自分はこういう事業やプロジェクトに対応できている」「別のテーマでお願いした相談を1年ぶりに思い出したが、あの時の意見や情報は重要な示唆を含んでいたから、今回のテーマでも検証してみよう」など、忘れたころに本当にそのようなことが起こるのです。

 もちろん、目の前の課題についてのネクストアクションが見える相談をすることが一番の目的です。そのための準備や努力を惜しんではいけません。ただ、相談は常に副産物を生み出し続けていることに目を向けると、違った視点が出てくるはずです。

相談
中長期的にそのメリットを考えてみる(画像提供:ゲッティイメージズ)

 副産物のうち、最も重要なのが「気付き」を得られることです。相談相手から得た知識や情報が、思いもよらないタイミングで役に立つこともあれば、ちょっとした一言がその人の能力や人間としての幅を広げることにもつながります。

 相談によって生まれた行動が、新たな人との出会いにつながり、事業やプロジェクトを一緒にやりたいという人が現れるかもしれません。短期的な成果だけで失敗と断じてしまうのはもったいないと考えています。

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