ぷかぷか、ふわふわ! なぜ「未来のレモンサワー」からレモンが浮かんでくるのか:火曜日に「へえ」な話(4/4 ページ)
アサヒビールがちょっとユニークな商品を開発した。“本物”のレモンスライスが入った「未来のレモンサワー」である。フタを開けるとレモンが浮かんでくるわけだが、どのようにして開発したのか。担当者に聞いたところ、想定以上の困難が待ち受けていて……。
「未来のレモンサワー」の味
さて、未来のレモンサワーの味はどうなのか。通常、新商品のリリースには「すっきりとしている」とか「甘酸っぱく芳醇な味わい」などと書かれているものだが、この商品についてはそのような記述が少ない。なぜか。ひとつの言葉で表現するのが難しいからではないかと思っている。
缶の中には乾燥したレモンスライスが入っていて、そのレモンから少しずつエキスがでてくる。例えるなら、干しシイタケから出汁が出てくるような感じである。製造後、どのくらいの時間がたっているかによって、レモンから染み出すエキスの量が違ってくる。ということは、同じ商品でも飲むタイミングによって味が違ってくるのだ。
ちょっと先の話になるが、気が早い人は次のフレーバーが気になっているかもしれない。通常、チューハイにはレモンのほかにライム、リンゴ、モモ、ブドウなどがあるので、開発メンバーもそうしたフレーバーを増やしたいようだ。
だが、しかしである。ここでも原料調達という壁がたちはだかる。衛生面に問題がなく品質が高くて、数を確保できる。こうした条件をクリアしなければいけないので、「じゃ、次はどれにする?」と簡単に話は進まないようである。
しかし、議論を重ねていく中で、いいアイデアが“浮かんで”くるかもしれない。「あれもいいよね。これもいいよね」といった会話をしているときのオノマトペは、「ぷかぷか」なのか「ふわふわ」なのか。いや、この場合は「ぽんぽん」だな。
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