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サウナーの次はアワラー? 「人工炭酸泉」がじわじわ広がる、3つの理由スピン経済の歩き方(4/7 ページ)

最近、温泉・入浴施設では「サウナブーム前夜」の時と同じような「トレンドの変化」が感じられる。「人工炭酸泉」だが、なぜそう思うかというと……。

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なぜ炭酸水人気が定着したのか

 ここまで炭酸水の人気が定着した要因の1つに、健康志向があると言われている。コーラなどの糖類や化合物の入った炭酸飲料とは異なり、無糖炭酸水は「体に良い」イメージが強く、これまでビールやチューハイで晩酌をしていた人が健康を気にして炭酸水に切り替えたなんて話はよく聞く。

 このような炭酸水の健康イメージが、人工炭酸泉人気に一役買っているのは間違いないだろう。シュワシュワと気泡の立つあのビジュアルは、どう見ても「炭酸水風呂」だからだ。

 実際、どこかの温泉・入浴施設に行って人工炭酸泉に入ってみるといい。必ずといっていいほど大きな説明看板で「健康効果」がうたわれている。「炭酸ガスが皮膚の毛穴から吸収されると血管拡張し、血流が改善します」とか「心臓への負担が減ることから古来から欧州では“心臓の湯”として親しまれてきました」など人間ドックに引っかかるような中高年にササる魅力的なフレーズが並んでいる。

 あくまで筆者の実地調査に過ぎないが、このような「健康効果」を真剣な表情で読んでいる人ほど、じっくりと長湯をする傾向が強い。つまり、素人目に見れば「源泉掛け流しの温泉」より、人工炭酸泉のほうが「健康効果」がありそうに感じるのだ。

 このような一般消費者の「なんとなく体に良さそう」というユルい健康志向に加えて、食事や睡眠などに気を使う“意識の高い系”も人工炭酸泉にポジティブなイメージを抱いている。それが(2)の「『アスリートの重炭酸温浴法』への注目」だ。


ホットアルバム炭酸泉タブレットの広告にも出演しているダルビッシュ有投手(出典:公式Webサイト)

 「重炭酸温浴法」はホットアルバム炭酸泉タブレット社(東京都八王子市)が開発した入浴法で、同社の「HOTTAB」という入浴剤を入れた「重炭酸湯」に15分以上ゆったりと入るというものだ。メジャーリーグのサンディエゴ・パドレスに所属するダルビッシュ有投手も2019年から実践していて注目を浴びている。

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