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川崎重工、2026年に地下シェルターの換気装置実用化へ 防衛や災害時に活用
川崎重工は6月20日、民間防衛用地下シェルター内の空気環境を維持する換気装置の開発を進めていると発表した。2026年に市場投入を目指す。
川崎重工は6月20日、民間防衛用地下シェルター内の空気環境を維持する換気装置の開発を進めていると発表した。5月から初期プロトタイプ機での実証実験を開始し、基本機能の検証や改良点の洗い出し、必要な性能確認を行っている。2026年に市場投入を目指す。
地下シェルター用換気装置には、さまざまな衝撃荷重や汚染空気からシェルター内を防護、遮断することが求められる。外気中のエアロゾル遮断には、同社がオフィスビル向けに開発したガス透過膜を用いた新しい換気システム「SEPERNA」を活用した。また、特殊な化学フィルターを搭載し、有毒ガスを除去する。
現在、地下シェルターの重要性が指摘されている。1960年代から地下シェルターの設備が進んだスイスの普及率は人口比100%以上で、北欧は同80%以上、韓国のソウルは同300%以上とされている。一方で、日本は地下シェルターの設備がなかなか進んでいないのが現状だ。
また、地下シェルターを設備していく上で、地震などの自然災害時にも機能することが求められている。同社は「長年培ってきた潜水艦の建造における閉鎖空間内の環境制御技術を生かし、地下シェルター用換気装置の開発を進める」とコメントした。
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