なぜワークマンは「ランドセル」市場に参入したのか こだわりは「8800円」と「防弾チョッキ」:想定を超えた反響(1/3 ページ)
ワークマンが6月に販売開始したランドセルが話題になっている。長年ワークウエアを中心に手掛けてきた同社が、なぜこのタイミングでランドセル市場に参入したのか。今後の展開は。
ワークマンのランドセルが話題になっている。同社は6月5日、ブランド初となるランドセル「ESスチューデントデイパック」(8800円)を発売した。初回限定生産で店頭販売は一部店舗のみ。ほとんどはECサイト経由の購入となるが、既に想定を超えた反響があるという。
長年ワークウエアを中心に手掛けてきた同社が、なぜこのタイミングでランドセル市場に参入したのか。狙いや今後の展開を広報部の伊藤磨耶氏に聞いた。
ワークマンが「ランドセル」を販売するワケ
同社はここ数年、レディース商品を扱う「#ワークマン女子」や同店と併設する子ども服の「Workman Kids(ワークマンキッズ)」、ファッション性を重視した「Workman Colors(ワークマンカラーズ)」、靴専門の「ワークマンシューズ(WORKMAN Shoes)」など、次々と新業態を立ち上げている。
ランドセルについては、#ワークマン女子やワークマンキッズを訪れる子育て世代の女性をターゲットにした商品だ。矢野経済研究所の調査によると、ベビー・子ども服の市場規模(2022年時点)は約8200億円。同社はランドセルを含むキッズ商品で、最終的に売上高200億円を目標に掲げている。
「子ども服は買い替えが頻繁に起こるため、家計負担が大きい。大人向けの商品をリサイズすることで、高機能かつ低価格の商品を展開したいと考えた」
ランドセルは本革素材を使ったものだと5万円を超える商品もある。そんな中、ナイロン素材で機能性に優れているにもかかわらず、1万円を切る低価格ランドセルで他社との差別化を図る。
加えて、中高生向けに開発した「フォーミュラスクエアバッグ」(7800円)がヒットしたことも背景にある。近年は「ラン活」といわれるほど、小学校入学を控えた子どもや保護者にとってランドセルの購入は一大イベントになっている。
フォーミュラスクエアバッグのターゲットよりもさらに若いキッズ世代が使うランドセル市場に参入することで、新規購入だけでなく買い替えを検討する人など、多様なニーズに応えていく。
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