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「日高屋化」する幸楽苑 ラーメン店から町中華へのシフトで復活できるか長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)

不調が続いた幸楽苑が、復調の兆しを見せている。2023年に復活した創業者の手腕が光っているといえるが、よく見ると「日高屋化」している様子もうかがえる。

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コロナ禍からV字回復を果たした日高屋

 日高屋は、2024年2月末時点で直営店が449店、全体では455店ある。餃子が主力の「餃子の王将」、長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」を除外すれば、ラーメン業界で最大手のチェーンでありながら、首都圏1都3県に店舗が集中している関東ローカルのチェーンといえる。

 1号店をオープンしたのは、2002年。以降は怒涛(どとう)の出店を続け、一気にラーメン業界の頂点にのし上がった。幸楽苑の290円に対して、日高屋の中華そばは390円。幸楽苑とともにデフレの勝ち組として、経済が低迷する日本で業績を伸ばした。中華そばの390円という価格は堅持し、今や幸楽苑より安くなった。2010年頃からは「野菜たっぷりタンメン」が新たな看板メニューとなり、ヘルシーなイメージも持たれている。

 日高屋は駅前立地の店舗が多く「屋台」の代わりがコンセプトであり、幸楽苑の勢いが止まってからもちょい飲み需要を前面に出して好調を維持した。長らくビールと餃子、中華そばで1000円以内の価格設定にこだわっていた。

 しかし相次ぐ値上げにより、現在は生ビールと餃子、中華そばを頼むと1000円を超える。とはいえ餃子を3個、あるいは中華そばを半ラーメンにすれば1000円を切る。


日高屋はお酒で餃子をつまみ、ラーメンで締めて1000円ちょい

 長らく業界の勝ち組だった日高屋だが、コロナ禍では鉄道の利用が激減し、飲酒の場が感染源になるとして規制されたのは痛かった。2020年2月期に約422億円だった売り上げは、2022年2月期には約264億円まで大きく減少。営業損失も2021〜22年度にかけて巨額となったが、2023年2月期は黒字に転じ、約6億円の利益が出た。

 2024年2月期決算にはV字回復を果たし、売上高は約487億円、営業利益は前期比653.2%増の約46億円、経常利益も同92.5%増となる約47億円、当期純利益は同112.8%増の約32億円と、過去最高の売り上げ・利益を更新した。


日高屋、肉野菜炒め定食810円。豚肉を減らしたい野菜炒め定食670円もある

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