「NHK受信料がいらない」チューナーレステレビ 山善があえて“アフターサービス”に注力するワケ(2/2 ページ)
「NHK受信料が不要」として、近年話題となっているチューナーレステレビ。家電メーカーだけでなく、ドン・キホーテやニトリなど小売メーカー、買い取り事業を手掛けるゲオなど異業種からの市場参入も増えている。2023年11月からチューナーレステレビを販売する山善は、増加するライバルに対し、サービスの質で対抗しようと考えている。
テレビ事業全体の約3割を占める
松島氏によると、チューナーレステレビは、あくまで“サブテレビ”としての位置付けだという。「チューナーレステレビはAmazon Prime VideoやNetflixなどの動画視聴に使われることが多いです。リビングに置くメインテレビではなく、自分の部屋用などとして購入されているケースが多いのではないでしょうか」(松島氏)
同社では通常のテレビも販売しているが、テレビ事業全体の売り上げのうち、約3割をチューナーレステレビが占めている。一時の流行ではなく、今後も安定的に売れるのではないかと見ている。
激化するチューナーレステレビ市場、山善はどう戦う?
異業種も参入するなど、競争が激化しつつあるチューナーレステレビ市場。しかし、チューナーレステレビは機能がシンプルであるため差別化が難しく、「安さ」を売りにするメーカーも少なくない。しかし、山善は安易に安売りせず、適切なアフターサービスを行うことで差別化を図る。
「ユーザーは故障や不調が出たこと自体への不満よりも、そうしたトラブルに販売元が適切に対応してくれなかったことへ大きな不満を抱く傾向があります」と松島氏。同社は電話でのサポートセンターやメールでの問い合わせ窓口を設置しており、素早くかつ丁寧に対応することに注力しているそうだ。
安売りはしないと言いつつも、チューナーレステレビは通常のテレビと比較するとはるかに安い商品だ。それなのになぜアフターサービスに力を入れるのか。それは、同社のチューナーレステレビの主要販路がECサイトだからだ。
ECサイトを訪れる購入希望者の多くは口コミを確認する。口コミには商品自体の評価だけではなく、トラブル発生時の対応の良しあしも書き込まれるケースがある。丁寧なアフターフォローは差別化しづらいチューナーレステレビの評価を高め、次の購買者の獲得につながっているのだ。
松島氏は、今後新たに開拓したい市場として、オフィス需要に着目している。チューナーレステレビはモニターとしても使用可能なため、オフィスでのニーズがあるのだという。「コロナ禍で縮小したとはいえ、オフィス向けはまだまだ大きい市場です。ここに本格参入できるかが今後の成長のカギだと考えています」(松島氏)
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