「間取り図×AI」で進化する物件情報 顧客、不動産会社へのメリットとは?:不動産DXのいまを知る(2/3 ページ)
不動産業界ではAIを活用した間取り図の作成や物件特徴を抽出するサービスが増えている。AI活用で、消費者が間取り図から得られる情報の量や質の変化、不動産会社側の業務効率化について紹介する。
「間取り図×AI」で物件特徴がより精緻に
消費者が気付きにくい物件の特徴や魅力を捉えるには、画像解析AIが有用です。
AIによる画像解析の技術によって、間取り図から簡単に物件特徴を抽出し、データ化できます。
アットホームラボではAIを活用し、間取り図を短時間で網羅的に解析して特徴を言語化する「間取図特徴抽出AIモデル」を開発しました。2024年4月5日に、本AIモデルに関する特許も取得し、アットホームのサービスだけではなく、不動産会社のホームページやポータルサイトなどにも活用していただいています。
本AIモデルは、間取り図から部屋の構成やリビング・各居室・キッチン・水回り・収納などの各領域、配置関係、つながりなどをAIで解析し、間取りの特徴を50種以上の物件特徴の中からタグとして出力します。これにより、消費者は間取り図から捉えきれなかった物件の特徴や魅力に気付けます。
また間取り図のAI解析は、不動産会社側の業務効率向上にも寄与します。不動産会社が物件情報を不動産会社間や消費者などへ公開する際、物件情報を不動産ポータルサイトなどのシステムに登録する必要があります。AIを活用することで間取り図から物件特徴や魅力など多くの情報を抽出できるので、システムに登録する時間を大幅に短縮できます。
さらに、不動産会社のスタッフが消費者に物件を提案する際にも役立ちます。例えば、間取り図から抽出した特徴タグをもとに、消費者が希望する生活スタイルに合う特徴を持つ物件を効率的に提案できます。AIを活用しながら、消費者ニーズに沿って物件を絞り込むことで、スピーディーな住まい提案を実現します。
現状の住まい探しは、賃料、エリア、部屋数や設備など物件の基本情報から検索して条件に合う物件を選んでいますが、実際に入居した後に生活動線への不満が出る可能性もあります。間取りの特徴も考慮して物件を選び、それを提案することができれば、消費者は実際に入居した後も満足感を得られるでしょう。
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