2024年の値上げ食品数が1万品目突破見通し 今秋に大規模な値上げラッシュ(2/2 ページ)
帝国データバンクは、2024年7月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて分析した。主要な食品メーカーにおける、家庭用を中心とした2024年通年の飲食料品値上げ品目数の累計は、11月までの予定分で1万86品目に上ることが分かった。
7月の値上げ品目数は411品目、2023年7月に比べ約9割減
2024年7月の飲食料品値上げは411品目で、3000品目を超える大規模な値上げラッシュだった2023年7月(3595品目)と比べ88.6%減。7カ月連続で前年同月を下回り、3カ月連続で1000品目以下にとどまった。7月単月の値上げ1回当たりの平均値上げ率は14.0%となった。
2024年7月の値上げは、「酒類・飲料」が全食品分野で最多の199品目、輸入ワインなど洋酒のほかコーヒー製品の値上げが目立った。「菓子」(75品目)は、6月に続きチョコレート製品の値上げが多く、米菓やスナック菓子製品も値上げの対象となった。「パン」(37品目)は、輸入レーズンやチョコレートの価格高騰を受け、一部製品で1年ぶりに値上げした。
2024年はコストプッシュ型の値上げが再燃
2022年半ば〜23年前半の値上げラッシュを引き起こした当時の水準を超える円安が進行したことも重なり、コストプッシュ型の値上げが再燃している。大雨や猛暑、干ばつなどの世界的な異常気象で不作・凶作の影響を受けたほか、食品値上げの要因が複合化していることも、コストプッシュ型値上げが長期化する要因となっているようだ。
今後は、10月の食品値上げ予定品目数が6カ月ぶりに1000品目を超え、今秋にかけ大規模な値上げラッシュが発生する見通しとなっている。1ドル160円前後の円ドル相場の長期化で、円高進行による輸入コスト低減への期待感は弱まり、一部の原材料や包装資材では一層の値上がりが見込まれているようだ。
帝国データバンクは「2024年後半の値上げは、店頭での値下げ圧力とコストアップの板挟みとなりながら、月最大2000品目前後、年間で最大1万5000品目の値上げペースが続くとみられる。ただ、円ドル水準の下落局面が長期化しており、当初予想の品目数を上回る可能性がある」とコメントしている。
今回の調査は、品目数および値上げは、各社発表に基づいて実施した。対象期間は6月28日午前9時まで。
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