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飲食業界の新トレンド? 牛めし「松屋」が「カレー屋」「かつ屋」と合体!? 増加する併設店の今(4/4 ページ)

そばチェーンである「ゆで太郎」との併設店を増やす「もつ次郎」。「ガスト」「から好し」だけでなく、「松屋」「マイカリー食堂」「松のや」など、複数の業態を組み合わせた「併設店」が増えている。今回はそんな併設店の現状を探る。

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併設化による2つの相乗効果

 各チェーンが併設店を初出店した日を時系列順に見ると、松屋フーズホールディングスが2019年11月、ゆで太郎&もつ次郎が2020年2月、ガスト&から好しが2020年7月。いずれもコロナ禍の発生前後から始まり、その後に勢いを増したことが分かる。上記の通り数を増やしていることから、業績も良いのだろう。


松のやとマイカリー食堂の併設店

松のやとマイカリー食堂の併設店の券売機

 併設店のメリットとして「高い宣伝効果」と「リピーター確保」の2点が考えられる。宣伝効果について今回取り上げた3チェーンはいずれも店内を共通化しつつ、店外で複数の異なる看板を設置する構造を取る。事実上、メニューを増やしているだけだが、併設店の外観にすることで、メニュー数の多さを印象付けられる。併設店自体が珍しいため、差別化も可能だ。仮にガストがから好しの看板を掲げず、から揚げメニューを増やすだけの施策で済ましていれば、効果は薄かったかもしれない。

 リピーターに関しては、平日の昼食を選ぶ際、2日連続で同じ店舗に行くのは飽きてしまうが、松屋フーズホールディングスのように牛丼・かつ丼・カレーと3種類もあれば、週に何度でも訪れられる。もつ次郎に関しては併設化により、ゆで太郎への来店頻度も上昇しており、売り上げも15%伸びたという。こうした相乗効果が、既に現れている。

 近年の新業態として店舗数を増やす、併設型店舗。これからどんどんと、新たな組み合わせの併設店が生まれてくるかもしれない。


松のやの「ロースカツ定食」(同前)

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


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