飲食業界の新トレンド? 牛めし「松屋」が「カレー屋」「かつ屋」と合体!? 増加する併設店の今(3/4 ページ)
そばチェーンである「ゆで太郎」との併設店を増やす「もつ次郎」。「ガスト」「から好し」だけでなく、「松屋」「マイカリー食堂」「松のや」など、複数の業態を組み合わせた「併設店」が増えている。今回はそんな併設店の現状を探る。
「複合店」を増やす松屋フーズホールディングス
牛丼チェーンの松屋で知られる松屋フーズホールディングスも、複合店という名称で併設店を増やしている。同社の複合店には「松屋+松のや+マイカリー食堂」と3業態が組み合わさった店舗や「松屋+松のや」のような2業態の店舗がある。松のやは、かつ定食とかつ丼を提供するとんかつ業態で、マイカリー食堂はカレー専門店ブランドだ。
併設店とはいえ、こちらも同様に店内がはっきりと仕切られているわけではなく、券売機で購入しセルフ式で取りに行くシステムである。メニューを見るとその豊富さに圧倒される。3業態の複合店では通常の牛めしメニューに加え、松のやのとんかつ・揚げ物メニュー、そこにマイカリー食堂のカレーメニューが加わる。シンプルなカツカレーや、牛肉がカレーに乗った「カレギュウ」など、食材をある程度は共通化しているようだが、それにしても豊富な品ぞろえだ。「一つの飲食店」というよりは、フードコートに近いといえる。
松屋フーズホールディングスが初の複合店をオープンしたのは2019年だった。松のやとそば店を複合した「松そば」であり、伸び悩んだがその後は松屋をベースに松のやとマイカリー食堂との併設化を進めた。マイカリー食堂の併設店は、7月8日時点で145店舗ある。松のや業態は約400店舗を展開するが、併設化していない「とんかつ業態」は188店舗であるため、併設型の松のやは200店舗以上あるとみられる。近年の新規出店情報でも併設店が目立つことから、同業態の店舗は今後も増えていくことだろう。
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