ニュース
「老舗企業の倒産」、前年比2倍ペースで急増 物価高など影響
帝国データバンクは7月19日、「老舗企業」(創業・創立から100年以上の企業)の倒産件数が、2024年の1〜6月で74件に及んだと発表した。前年同期の38件から2倍近くの増加となっている。
帝国データバンクは7月19日、「老舗企業」(創業・創立から100年以上の企業)の倒産件数が、2024年の1〜6月で74件に及んだと発表した。前年同期の38件から2倍近くに増加しており、上半期としては2000年の統計開始以降、最多となった。
老舗企業における倒産のうち、業種別では「製造業」が22件と最多に。2位は「小売業」の21件で、「製造業」と合わせて全体の6割を占めた。以降は、「卸売業」(11件)、「建設業」(8件)、「サービス業」(6件)が続いた。清酒製造(2件)や生菓子製造(2 件)といった伝統産業のほか、水産加工、味噌、野菜漬物などもあった。
倒産の原因は、仕入価格の上昇により収益が悪化した「物価高倒産」(14件)、後継者不在のため事業継続の見込みが立たなくなった「後継者難倒産」(11件)など。
帝国データバンクは、2024年の企業倒産が全体で1万件突破も視野に入る勢いで増加している状況も踏まえ、「半数近くを小規模企業が占める老舗企業は、さらに厳しい局面を迎える可能性がある」と分析している。
同社によると、2023年時点における国内の老舗企業は4万3631社で、2024年は約2000社が加わる見込み。
関連記事
- 老舗が続々廃業! 「和菓子店の危機」がここにきて深刻なワケ
老舗和菓子店が相次いで廃業している。地元の人に長く愛されてきた和菓子店が、なぜ閉店しているのだろうか。原因は「新型コロナの感染拡大」「手土産需要の減少」だけでなく……。 - 「福岡のために尽くすのは当然」 明太子の老舗「ふくや」が示す真の地域貢献
ふくやの社是とも言える、地元を守りたいという思い、そして地域貢献。これはコロナ禍でも当たり前のように遂行された。ふくやの川原武浩社長に聞く。 - 破綻した老舗百貨店がブランド再生へ 「やらない」と決めたことは何か
2020年に経営破綻した米百貨店チェーンJ.C. Penneyが、ブランド再生に挑んでいます。一度は地獄を見た企業が、巻き返しのために心掛けていることとは何でしょうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.