金融教育の課題1位は「知識不足」 解決が難しいワケは?
金融経済教育に携わったことがある教員に対する調査から、学校における金融教育の実態が明らかになった。課題の1位は「知識不足」という結果に。解決が難しいワケは?
日本FP協会(東京都港区)が実施した「学校における金融経済教育に関する意識調査」から、学校現場での金融教育の課題として「生徒にとって理解が難しい内容が多い」(54.7%)ことや「教える側の専門知識の不足」(45.3%)が大きいことが分かった。
なぜ? 学校で金融知識に関する取り組みが難しいワケ
学校での金融教育が難しいのはなぜか? 最も多い意見は「時間的な余裕がない」(58.6%)だった。「知識・情報のアップデートが追いつかない」(39.8%)、「適切な知識・情報をどこから収集すればよいか分からない」(35.7%)との理由も見られた。
現在、金融経済教育の内容が「生徒たちに浸透している」と感じている人は52.7%だった(とても浸透している:2.7%、浸透している:10.6%、やや浸透している:39.4%)。
今後金融経済教育において、学校と外部組織との連携を進めるべきか問うと、約8割が「連携を進めるべき」(そう思う:25.3%、ややそう思う:54.8%)と回答した。
これから利用を検討している教材の項目にも、「教科書」(40.5%)の次に「外部講師」(38.3%)や「視聴覚教材(ビデオ・DVD)」(34.0%)、「専門機関・業界団体などが提供する教材」(34.0%)がランクインしており、外部組織への期待が高まっている。また過去に連携した外部組織に関しては、半数以上が「経験がない」(53.2%)と答えた。
学校と外部組織の連携を進める理由について、特に多かったのは「高度な専門知識を持った講師の授業が受けられるから」(78.4%)だった。その他「教員の時間的負担が軽減されるから」(47.9%)、「最新の金融情報やトレンドを取り入れた教育ができるから」(43.4%)という声もあった。
連携して教育を行う外部組織に対して重視することは、6割以上が「依頼料がかからない」(61.3%)ことを挙げた。以降「学校教育の知識がある」(48.6%)、「授業内容を提案してくれる」(48.3%)、「公平・中立的な立場である」(21.6%)と続いた。
調査は金融経済教育に携わったことがある全国23〜60歳の教員(小、中、高校)を対象にインターネットで実施した。有効回答数は814件。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
管理職の4割が「メンバーの業務把握できていない」 "業務の忙しさ"を上回った理由は?
約9割の管理職が「メンバーの業務把握の重要性」を認識しているにもかかわらず、できていない管理職も少なくないことが分かった。なぜか。「業務の忙しさ」を上回った1位の理由は?
「転職エージェントの倒産」が急増 人手不足なのに“4年で4倍”に、なぜ?
コロナ禍前の2019年と比べ、23年の転職エージェントの倒産数は4倍に跳ね上がりました。各社、人手不足を嘆いているのに、なぜなのでしょうか?
【法改正】4月から「雇用契約書」が変わる 企業がすべき対策は?
4月から「雇用契約書」が変わります。労働条件の明示ルールが変更されます。企業はもちろん、求職者も注意する必要があります。どのような対策を取るべきでしょうか?



