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国民的アイス「ガリガリ君」、誕生のきっかけはオイルショック? 年間4億本も売り上げる秘密は「消費者との共同作業」長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)

登場から40年以上が経過し、年間4億本を売り上げる国民的アイスの「ガリガリ君」。誕生のきっかけやヒットの秘訣に迫る。

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2000年に1億本を突破 人気の秘訣は「消費者との共同作業」

 ガリガリ君の販売数は、2000年に1億本を突破。2007年には2億本、2010年に3億本、2012年に4億本と、着実に人気を拡大してきた。現在はシリーズ全体で約4億本とのことなので、高い水準で安定しているといえる。単純計算で、日本国民1人当たり、年間4本弱を食べていることになる。売れる季節としてはやはり夏が強く、毎年7〜8月が売り上げのピークだ。


人気1位、ガリガリ君のソーダ味

 では、ガリガリ君はなぜ、このように長らく人気を保っているのだろうか。同社の広報は「お客さまの日常生活で愛される商品として、お客さまとともに育ててきたという面がある」と説明する。

 例えば、2000年に消費者調査から挙がった意見を基にして、キャラクターの大幅リニューアルを実施。従来のキャラクターに「泥臭い」「レジに持っていくのが恥ずかしい」などと、厳しい意見が相次いだからだ。そうして、現在のように元気で愛嬌(あいきょう)のある、「ニューガリガリ君」が誕生した。


人気2位、ガリガリ君の梨

 また、子どもの頃にガリガリ君を食べていた大人世代に、もう一度手に取ってもらえるよう、2006年に「ガリガリ君リッチシリーズ」を販売開始。価格は少し上がるが、乳製品や菓子素材などを使ったワンランク上の製品を提案した。

 特に、2012年に発売した「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」は、顧客からの「ガリガリ君にはもっと面白いチャレンジを期待している」という熱いエールをきっかけに開発をスタートした商品だ。フレーバーの奇抜さが、発売前からSNSで話題となり、発売するや否や売り切れて生産が追いつかなくなり、3日で販売休止する事態に追い込まれたほどのヒットを呼んだ。その後も、メロンパン味、ナポリタン味、たまご焼き味などといった、他社では決して商品化しないユニークなフレーバーを連発している。

 2015年には、細かい氷のジェラートのような味わいをコンセプトとした「大人なガリガリ君シリーズ」の販売を始めている。贅沢感あるキウイの種が入った「キウイ」「まる搾り白桃」などの商品がある。

 「今後もお客さまの声に耳を傾けながら、さらに多くの方々から愛される存在になるために、ともに成長を続けていきたい」と広報は意気込みを話す。

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