無印良品、ホテル・旅館の“埋まらない客室”をプロデュース 新事業「MUJI room」開始
無印良品を展開する良品計画(東京都文京区)は9月5日、既存の宿泊施設の客室をプロデュースする、新事業「MUJI room」を開始すると発表した。客室の空きが埋まらない課題を抱える旅館・ホテルなどに対し、収益化のための解決策として提案する。
無印良品を展開する良品計画(東京都文京区)は9月5日、既存の宿泊施設の客室をプロデュースする新事業「MUJI room」を開始すると発表した。客室の空きが埋まらない課題を抱える旅館・ホテルなどに対し、収益化のための解決策として提案する。
宿泊施設の“埋まらない客室”に着目
同社はこれまで宿泊事業として、ホテル「MUJI HOTEL」や、滞在型宿泊施設「MUJI BASE」、キャンプ場「MUJI Camp」を展開してきた。「MUJI room」では、既存のホテルや旅館、貸別荘の空室などを「無印良品のある暮らし」を体感できる場としてプロデュースする。
同社は、旅行スタイルの変化などにより、客室の空きが埋まらなくなった旅館・ホテルが全国に多く存在していることに注目。改善しようにも、資金不足や状況打破につながる企画が立てられないといった課題を抱える施設をバックアップするのが狙い。
地域体験もプロデュースの「地域共生型」
事業のスキームには、「地域共生型」と「受託型」の2種類を用意する。
地域共生型では、良品計画が初期投資、PRと集客、予約管理までを担当。既存の建築を生かして、空間設計や地域体験をプロデュースする。宿泊事業者にとっては初期投資の必要なく空室だった客室が収益化し、地域全体のPRにもつながるという点をメリットとして打ち出す。
モデルケースとして、2025年2月に奈良県吉野町の老舗旅館「坂本屋」内において、「MUJI room SAKAMOTOYA」を3室オープン。滞在者のみが吉野町の地域文化を体験できるプランや、地域ゆかりのフードアメニティーなどを用意するという。
空間・サービスのみを手掛ける「受託型」も
また受託型では、事業者からの依頼により、同社が空間・サービスのデザインを手掛ける。無印良品の商品を用いたアメニティーやフードアメニティー、寝具などを取り入れるという。
モデルケースとして、12月1日に大阪市の「リーベルホテル大阪」内に、「MUJI room LIBER HOTEL」をオープン。無印良品の世界観をデザインした客室を、施設内に12室展開する。宿泊予約は、9月5日から開始するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「MUJI BASE TESHIMA」4月に開業 良品計画の宿泊施設、第2弾の特徴は?
無印良品を展開する良品計画は、瀬戸内海の東部に位置する香川県土庄町豊島に宿泊施設 「MUJI BASE TESHIMA」を開業する。
「オワコン」から「エモい」へ 無印良品の団地プロジェクトが若年層に支持されるワケ
今まで「オワコン」とされていた団地が、「エモい」と再評価され始めている。良品計画がUR都市機構と組んでリノベーションを進めていることも好影響を及ぼしていそうだ。実際にどのようなリノベーションを施しているのか。
無印良品、「まちの保健室」グランフロント大阪にオープン 漢方薬の展開など強化
無印良品を展開する良品計画は9月6日、「無印良品 グランフロント大阪」(大阪市北区)の3階に、健康領域の商品やサービスを提供する「まちの保健室」をオープンする。通常の売り場と連続性を持たせたレイアウトとするほか、漢方薬の展開を強化する。



