日本CFO協会は、インボイス制度の要件緩和を支持する立場を表明した。
同協会は、経理管理のクラウドサービスを提供するコンカー(東京都千代田区)が、3月に発表した「インボイス制度の要件緩和に関する提言」に日本CFO協会が賛同。「経費精算業務のデジタル化・効率化の原状復帰を目指す」としている。
インボイス制度「緩和」に賛同する理由
日本CFO協会は「出張旅費等特例を、旅費を含む全ての立替経費に拡大し、法人税法と同様にキャッシュレス決済時には適格な領収書を不要にすること」「現状では特例の対象外となっている会社決済型コーポレートカードで支払った経費も特例の対象とすること」の2点を提言。その上で「インボイス制度を否定するものではなく、電子帳簿保存法改正によってインボイス制度開始前には実現していた経費精算業務のデジタル化・効率化の原状復帰を目指すもの」と説明している。
また同協会は、在日米国商工会議所が発表した意見書においても同様の言及がなされていることに触れ「幅広い業界や団体がインボイス制度の要件緩和について注目し、現状について課題を感じている」との認識を示した。
コンカーは3月に発表した提言において「インボイス制度は適正公平な税務処理を促すために重要な法制度であるが、経費精算業務においては業務のデジタル化の後退の要因」と指摘していた。同社代表取締役社長の橋本祥生氏(祥は実際には「示」に「羊」)は「インボイス制度後も経費精算業務のデジタル化や効率化を一切の障壁なく推進できる環境を整え、日本企業の持続的な成長、競争力強化に貢献したい」とコメントした。
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