「若者のディズニー離れは“料金が高い”から」説は、本当か:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
若者のディズニー離れが起きているようだ。原因はオリエンタルランドの「富裕層向けテーマパーク路線」との声もあるが、本当にそうだろうか。日本の人口統計を見てみると……。
給与UPより「値下げ」を求める人々
商品やサービスの価格を「値上げ」すると、われわれは何かとつけて「高級化だ」「庶民切り捨てだ」と文句を言って、とにかく値下げさせようとする。
しかし、よその国の人々は違う。「なぜこんなに世の中が値上げしているのに、われわれの給料が上がらないのだ」と文句を言うのが普通だ。
もし本当に若者が高いチケットで「離れた」というのなら、ディズニーに文句を言うのではなく、そもそもなぜ日本の若者は、世界的にも異常な低賃金なのかと文句を言うべきだ。もちろん、自分の給料を上げていくための努力も惜しまない。交渉もするし、転職もする。
「高い」ものがほしいのなら、自分の生活水準に引きずり下ろすのではなく、自分たちの価値を高めていく。そういう発想が当たり前にならない限り、いつまでも日本経済が上向くことはないのではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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