「新人管理職」と「ベテラン管理職」の部下育成、何が違う?
「部下育成」について課題を感じることが頻繁に「ある」という管理職は68.0%━━。そのような結果が、ALL DIFFERENT(東京都千代田区 )および、ラーニングイノベーション総合研究所による調査で明らかになった。部下育成のために、管理職がしていることとは。
部下育成について、管理職の68.0%が頻繁に課題を感じている。そのような結果が、ALL DIFFERENT(東京都千代田区)と同社の研究機関ラーニングイノベーション総合研究所
による調査で明らかになった。部下育成のために、管理職はどのようなことをしているのか、管理職歴別の傾向とは。
部下育成のため、何をしている?
部下育成に課題を感じることが「とてもある」人は18.0%、「よくある」人は50.0%だった。合わせて68.0%の管理職が、頻繁に課題を感じていた。
管理職のうち、1〜3年目の課長クラスを「新任管理職」、4年目以上の課長クラスを「ベテラン管理職」、部長クラスを「幹部候補」と3つのステージに分類して分析した。
「部下育成」への課題を感じることが「とてもよくある」「よくある」と回答した割合を比較すると、「新任管理職」は76.4%、「ベテラン管理職」は66.6%、「幹部候補」は54.1%となった。管理職としてのステージが初期であるほど「部下育成」に課題を感じる割合が高くなる傾向が見られた。
どのような場面で部下育成への課題を感じるのか。最も多かったのは「部下の成果や知識・スキルが向上しないとき」で35.2%。以降は「部下のモチベーションが向上しないとき」(32.0%)、「部下を評価するとき」(28.2%)と続いた。
管理職の全てのステージに共通して「部下の成果や知識・スキルが向上しないとき」が最も多く、「新任管理職」は31.1%、「ベテラン管理職」は33.3%、「幹部候補」は41.0%となった。ステージが高くなるにつれて増加する傾向が見られた。
その他、新任管理職では「部下を評価するとき」が30.2%と、幹部候補と比べて約2倍高い結果に。管理職の初期ほど課題を感じる場面であると分かった。また、ベテラン管理職では「部下の状況を把握するとき」が23.4%と、幹部候補と比べて2倍以上高い結果となった。
幹部候補では「方針や戦略の浸透を図るとき」が他ステージよりも9.0ポイント以上高く、幹部候補になると急激に増加すると明らかになった。
部下育成のために管理職が努力していることについて、全体で最も多い回答は「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションを取る」で46.8%。その他、「部下からの意見に積極的に耳を傾ける」(44.4%)、「部下に期待や役割を伝達する」(42.3%)が上位となり、意欲的に部下と交流を図ろうとしている様子がうかがえる結果となった。
ステージ別で見ると、新任管理職で最も多い回答は「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションを取る」で54.7%に上った。次いで「部下に期待や役割を伝達する」(41.5%)、「部下からの意見に積極的に耳を傾ける」(38.7%)と続いた。
一方で、ベテラン管理職は「部下からの意見に積極的に耳を傾ける」が最も多く51.4%だった。以降は「部下に期待や役割を伝達する」(43.2%)、「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションを取る」(40.5%)となった。
幹部候補では「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションを取る」「部下からの意見に積極的に耳を傾ける」「部下の自主性を尊重する」が同率で最も多く、44.3%に上った。
順位は異なるものの、「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションを取る」「部下からの意見に積極的に耳を傾ける」「部下に期待や役割を伝達する」が各ステージで上位となった。部下を尊重しつつ、積極的に管理職から歩み寄っている様子が明らかになった。
調査は5月20日〜7月17日にインターネットで実施。同社の管理職向け研修の受講者415人から回答を得た。
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