すき家がカレーを「甘口」に? リニューアルの背景:プロダクトInsights
すき家は9月24日、定番商品の「カレー」をリニューアルすると発表した。2021年のリニューアルでは20種類以上のスパイスを使った本格的な味わいが特徴だったが、今回は子どもでも食べやすいマイルドな味わいに仕上げた。
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日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
すき家は9月24日、定番商品の「カレー」をリニューアルすると発表した。10月1日から提供する。カレーのリニューアルは2021年12月以来、約3年ぶり。2021年のリニューアルでは20種類以上のスパイスを使った本格的な味わいが特徴だったが、今回は子どもでも食べやすいマイルドな味わいに仕上げた。
新しいカレーのルーは「おうちカレー」がコンセプト。りんごやさつまいもなど、果物と野菜の甘みが溶け込んだマイルドな味わいが特徴だ。具材はごろごろとしたじゃがいもとにんじんが入っている。広報担当者は「マイルドでやさしい味わいかつ、くどさが残らないよう、各食材の調理工程を何度も微調整した」と話す。価格は並盛が490円で、現行から据え置いた。
スパイシーな味わいを好むお客向けには、別添えで「特製辛口ソース」を用意した。ソースには唐辛子やこしょうをきかせつつ、ルーに溶け込むような辛みに仕上げたという。店内ではボトルで提供し、好みの辛さに調整可能。テークアウトの場合はパウチタイプのソースを、最大2個まで提供する。
今回のリニューアルの背景には、「カレーもすき家」というイメージを広げたい狙いがある。マイルドな甘めのカレーにすることで、これまでのカレーは辛くて食べられなかった人や子どもといった新しい客層も取り込みたい考えだ。広報担当者は「すき家の看板商品といえば牛丼だが、“カレーもすき家”と想起いただけるきっかけになれば」と期待を寄せる。
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