「ドンキでボトムスは売れない」からヒット商品誕生へ 長年の苦戦を変えた2つのこと(2/2 ページ)
食品から日用品、雑貨、アパレルなど、ユニークな商品を次々と打ち出しているドン・キホーテ。しかし、ドン・キホーテにも、長年苦戦していた分野があった。運営会社であるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスに話を聞いた。
「ボトムスが売れない」を変えた2つのこと
色褪せ知らずの黒 スキニーパンツのヒットを受けて、ボトムス開発で意識するようになったことが2つあるという。1つ目は「独自の切り口」だ。「使い勝手や履き心地はもちろんですが、そこに『洗っても洗っても色落ちしない』というような独自の切り口を追加しています。その結果、顧客が他社と比べて『ドン・キホーテの方が良い』と選んでいただけることにつながると考えています」(向さん)
2つ目は、デザインのラインアップだ。前述の通り、ドン・キホーテの店舗の多くには試着室がない。そのため、バルーンシルエット、ジョガータイプ、裾ドローコード仕様など、裾上げを必要としないデザインを積極的に採用。ファッショントレンドに合わせながら、拡充しているそうだ。
2021年4月には、ゆるっとしたシルエットが特徴の「アラジンパンツ」を発売。初年度は試験的に4000点だけ生産したが、1カ月で欠品する店舗が出るほどの人気だったという。2022年は1万点を用意したが、春夏シーズンでほぼ完売となった。
2023年からは通年タイプ(ロング丈)と春夏向け冷感タイプ(クロップド丈)の2種類を展開。年間で6万点以上を販売し、アパレル分野の主力アイテムに成長した。今年1〜8月までの販売数は9万点越えており、色褪せ知らずの黒 スキニーパンツを超える人気ぶりだという。
色褪せ知らずの黒 スキニーパンツというヒット商品をきっかけに、長年の苦戦分野を克服したドン・キホーテ。今後展開されるボトムスアイテムにも注目だ。
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