10月の食品値上げは2911品目 「2024年で最多」に、値上げが多いカテゴリーは?
主要食品メーカー195社における、10月の飲食料品の値上げは2911品目に。PET飲料を中心に「酒類・飲料」が1362品目値上げしたほか、638品目が値上げとなった「加工食品」では、ハム・ソーセージ製品の多くが一斉値上げとなった。
帝国データバンクは9月30日、主要食品メーカー195社が、10月より飲食料品2911品目を値上げすると発表した。「酒類・飲料」がPET飲料を中心に1362品目値上げしたほか、「加工食品」では、ハム・ソーセージ製品の多くが一斉値上げとなり、638品目が値上げの対象となった。
同社は食品主要195社の価格改定について、定期調査を毎月実施している。10月の食品値上げは、2024年で最多だった、4月の値上げ品目数(2897品目)を14品目上回り、年内最多の値上げラッシュとなった。ただし前年の同じ月(4758品目)は下回っており、10カ月連続で前年同月を下回っている。
値上げが多いジャンルは?
10月に値上げした2911品目のうち、食品分野別の内訳を見ると、PET飲料を中心に「酒類・飲料」が最多の1362品目(10月全体の46.8%)値上げ。「加工食品」(638品目)では、ハム・ソーセージ製品の多くが一斉値上げとなった。「菓子」(237品目)では、「ビーンショック」といわれる世界的なカカオ豆の価格の高騰が続き、半数超がチョコレート関連の製品で占められた。
「物流費」「円安」「人件費」が響く
2024年通年での値上げ品目数(予定含む)は、12月までの累計で1万2401品目となり、年間の平均値上げ率(前年比)は17%となった。帝国データバンクは、11月にはコメ不足に伴う原料米の価格高騰を背景に、パック米飯で一斉値上げといった動きがあるとしつつも、「年末にかけて値上げは沈静化するとみられる」と分析している。
同じく通年での値上げについてその要因を見ると、「原材料高」が92.7%と最多に。チョコレートやコーヒーなど、猛暑や干ばつによる不作を理由に、一部原料で価格上昇の影響がみられた。
このほか、「物流費」由来の値上げも68.6%と、2023年から10.2ポイント増加。「円安」由来の値上げは24年通年で28.4%(同17.0ポイント増)、「人件費」由来の値上げは26.7%(同17.6ポイント増)と、それぞれ前年を大幅に上回っている。
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