人里離れた絶壁にあえて出店 130席の“ぽつんと”レストランなぜ人気? 驚きの「バッドロケーション戦略」に迫る:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
飲食店の常識である「好立地」から離れ、バッドロケーションを自ら選び、出店している企業がバルニバービだ。なぜ、そのような戦略をとるのか。同社の取り組みを取材した。
徒歩は困難 動物が毎日のように出る、人里離れた立地
トラットリア・アマランチャまで、公共交通で行こうと思えば大変だ。神戸からだと、中心部の三宮から高速バスに乗って約1時間半、終点の福良で降りて、タクシーに乗るのが最も一般的なルートとなる。タクシー料金も片道で4000円近くかかる。
車でなら、神戸淡路鳴門自動車道の西淡三原インターチェンジから、25分ほど。一番近い集落の南あわじ市・阿万(あま)からなら7〜8分で到達する。ただし、くねくねとした狭い山道を根気よく登っていかなければならない。徒歩で行くのは、もちろんかなり困難だ。
出店に当たって、当初は道すらない場所だったので、まず車が通れる道をつくることから始めたという。店の前には広い駐車場を備えているが、それだけでは足りないので、登山道の途中に第2駐車場をつくった。徒歩で店までは遠いので、店員を呼び出してもらい、送迎する。店は午後9時30分まで営業しているので、帰りは暗い時間だ。店員とタクシーの運転手ともに、毎日のように鹿に遭遇すると話す。それほど、人里離れた立地なのだ。
店内に入ると、いきなり海への雄大な展望が開ける。潮風をより感じたい人向けにはテラス席も設けており、席数は130席。真昼に訪れるのも良いが、夕陽が沈む眺めも絶景であり、夜は崖をライトアップし、幻想的な雰囲気が醸し出される。店から海岸まで階段があり、海辺にも降りられる。
実際に訪問してみて、ここまでの眺望をおしゃれな空間で体験できるなら、大阪や神戸から1時間半〜2時間半くらいかけて車を飛ばして来たい人もいるだろうと、納得できた。
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