靴に装着し「振動」で道案内、ホンダ発ベンチャーが発売 視覚障がい者をサポート
ホンダ発のスタートアップ企業であるAshirase(東京都港区)は10月1日、視覚障がい者の歩行をサポートするナビゲーションデバイス「あしらせ2」を発売した。デバイスを装着した靴を履いて外出すると、振動で目的地までのルートや曲がる方向、タイミングなどが分かる仕組みだ。
ホンダ発のスタートアップ企業であるAshirase(東京都港区)は10月1日、視覚障がい者の歩行をサポートするナビゲーションデバイス「あしらせ2」を発売した。2023年に限定発売した前モデルから軽量化するなど、リニューアルを実施。8月1日からAshiraseの公式オンラインストアで先行予約を開始したところ、初回生産数を上回る申し込みがあったという。
あしらせは靴に装着するデバイスと専用のアプリケーションにより、足元への振動を通じて視覚障がい者を目的地まで案内する。デバイスを装着した靴を履いて外出すると、振動で目的地までのルートや曲がる方向、タイミングなどが分かる仕組みだ。道案内をあしらせに任せることで、利用者は安全確認に集中できる。
今回発売したあしらせ2は、前モデルに寄せられたユーザーの声をもとに改良した。スマートフォンとあしらせに搭載したセンサーデータを組み合わせ、より高い精度でユーザー位置や方位推定ができるようになった。また、自動運転の技術を応用し、ユーザーの歩行位置を推定する技術を搭載。位置情報のずれを改善したという。
靴の中に入れる振動部分は、装着時の違和感を減らすため、やわらかい素材で薄い形状を採用。さまざまな靴になじみやすいデザインに仕上げた。本体価格は税抜5万4000円で、アプリ基本料金は月額550円(年額6000円)。
その他、視覚障がい者にとって歩きやすいルートを提案する機能や、ユーザーの行きたいルートを記録できる「マイルート機能」、横断歩道や交差点などを音声で案内する「道路構造・周辺施設通知機能」も搭載している。
今後は、探したい場所を音声入力すると条件に該当する施設の情報を案内する「AIおすすめスポット検索」や、写真で撮影したものを説明する「AI画像認識」など、新しい機能を順次追加する予定だ。
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