AIカメラがホームの安全確認、小田急が実証実験 人手不足視野に
小田急電鉄(東京都新宿区)と小田急ビルサービス(東京都渋谷区)は駅構内のカメラに行動認識AI技術を活用し、不審者・不審物などの迅速な検知を目指す実証実験をする。現在マンパワーで行っている安全確認や、それに伴う各種対応業務の効率化を図る狙いだ。
小田急電鉄(東京都新宿区)と小田急ビルサービス(東京都渋谷区)は10月10日から2025年1月9日にかけて、駅構内のカメラに行動認識AI技術を活用し、不審者・不審物などの迅速な検知を目指す実証実験をする。場所は、小田急線柿生駅・玉川学園前駅(神奈川県川崎市・東京都町田市)で行う。
実証実験には、アジラ(東京都町田市)によるAI警備システム「AI Security asilla」を使用。対象となる2駅のコンコースとホームに以前から設置している、全20台のカメラの映像を、行動認識AIで解析する。これにより、現在マンパワーで行っている安全確認や、それに伴う各種対応業務の効率化を図る。
解析対象は、車いすの人、白杖を使用する人、ホームからの転落、長時間にわたりホームにとどまっている人、利用客同士のトラブル、不審物など。一般的な防犯カメラは、事件や事故が発生してから検証に用いるための「録画機器」として用いられているが、AI Security asillaではAIが特定の行動を検知し、即座に警報を発することができるという。実証実験によって、混雑や天候、時間帯によって変動する撮影状況の中でも、システムが有効に機能するかを検証する。
小田急電鉄では現在、駅係員が巡回するといった形で安全確保を実施しているが、将来的な生産年齢人口の減少を視野に、デジタル技術の活用に取り組んでいる。小田急線の鉄道警備を請け負う小田急ビルサービスも、省人化された警備体制の構築を進めているという。
小田急電鉄は、「鉄道運行に従事する係員が2035年度に2020年度比で30%減少したとしても、安全・安心な運行を継続できる体制」を目指すとコメントしている。
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