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オフィスなの? 飲食店なの? デスクで働く社員が丸見えの「社食堂」が誕生した背景(3/4 ページ)
広島と東京に拠点を置く建築設計事務所が、オフィスにある食堂を一般開放している。ただの食堂ではなく、その空間にはオフィスも共存している、特殊なスペースとなっている。どんな狙いや効果があったのか取材した。
収益は“とんとん” 儲けは福利厚生として還元
前述の通り、社食堂がオープンしたきっかけは社員の健康。メニューにもその考えが反映されている。
例えば、肉または魚から選べる日替わり定食(1320円)は主菜とごはんに加え、副菜3品と味噌汁がついている。それ以外にもカレーや丼ものを提供するほか、カフェメニューやアルコールも提供している。
社員は昼夜に利用し、一般客は昼食・カフェ利用が多い。近隣の会社員や住民、デザインに興味を持つ遠方からの来客もあるという。なお、運営スタッフは一般的な社食と異なり、SUPPOSE DESIGN OFFICEの社員として採用している。
気になるのが収益性だ。
「多くの一般客が利用しており、収益性は確保しています。ただ、社員はワンコインで食事できたり、100円でコーヒーを頼めたりするため、それらを踏まえると“とんとん”といったところです。一般利用で得た収益を、社員の福利厚生に還元しているような形です」(同)
平日の午後1時台に訪問したところ、確かに来客は多い。一般的なカフェレストランのような雰囲気だ。子連れで食事をするファミリー客や、読書にふける客も見かけた。イベント時にはさらに客が集まるという。
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