打倒「無印良品」 エディオンが“見た目”重視の家電に注力するワケ:キーワードは「ビジュ」(1/2 ページ)
エディオンがZ世代向けに“ビジュ”(見た目のかわいさ、デザイン性)にこだわった家電に力を入れている。背景には、家電量販店業界が直面する課題があった。
エディオンがZ世代向けに“ビジュ”(見た目のかわいさ、デザイン性)にこだわった家電に力を入れている。今夏にはオーブントースターやミキサーなど調理家電3商品を発売し、売れ行きはまずまずのようだ。同社がZ世代向けの家電に注力する背景には、家電量販店業界が直面する課題があった。
同社の池田幸弘氏(商品開発部 部長)によると、家電量販店業界において若年層の顧客比率が低いことが課題になっているという。特に、エディオンで調理家電を購入した人を年代別に見ると、約半数を50〜70代が占める結果に。20代は7.9%、30代も8.6%にとどまっている。
家電量販店に代わり、若年層の家電購入先として台頭しているのが、無印良品やフランフランといった生活雑貨店だ。特に若い女性層をターゲットに、生活雑貨店がデザイン性の高いオリジナル家電を販売し、顧客を奪っている。
こうした現状は販売実績からも分かる。エディオングループにおけるホットプレート販売実績(1〜9月)を見ると、大手家電メーカーに比べて、インテリア雑貨メーカーは20代の構成比が高い。「将来のメイン購入者層になるZ世代を取り込むため、当社のPB『イーアングル』からZ世代向けの家電ブランドであるカラーデザインシリーズを立ち上げました」(池田氏)
カラーデザインシリーズを立ち上げるに当たり、木村健吾氏(商品開発部 アシスタントマネージャー)はZ世代の消費行動を分析。機能や性能以上に、誰かに“共有したくなる”カラーバリエーションやデザインが購入のきっかけになることが分かった。さらに、こうして選ばれた商品は購入後の満足度が高いという。
「『映え』などに代わりZ世代がよく使う言葉に『ビジュ』というものがあります。これはvisual(ビジュアル)の略称で見た目を意味します」(木村氏)。ビジュという言葉をきっかけに、製品単体の見た目に加え、置くだけで部屋のインテリアをオシャレにするような家電=ビジュ家電を展開すれば、生活雑貨店に流れるZ世代を取り込めると考えた。
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