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なぜ、松のやは「290円朝食」にこだわる? ターゲティングとポジショニング戦略から見えた“必然”(5/6 ページ)

この価格設定は、同業他社と比較しても圧倒的である。

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競合各社が同価格帯を実現できない理由

 しかし、競合各社も顧客の囲い込みとLTV向上を図るという戦略は実現したいはずだ。それができない事情を考えてみよう。

食材コストの違い

 牛丼チェーンは主力商品である牛肉を使用しており、牛肉は豚肉に比べて原材料費が高い。国際的な価格変動の影響も受けやすく、コストコントロールが難しい。

メニュー構成の違い

 競合他社は多様なメニューを展開しているが、牛丼に乗せるトッピングやサイドメニューの種類が多い。これにより、調理工程や在庫管理が複雑化し、人件費や時間コストが増加する可能性がある。

ブランド戦略の違い

 牛丼チェーンは「早い・安い・うまい」が魅力であるが、極端な低価格戦略は品質やサービスに影響を及ぼすリスクがある。彼らは価格だけでなく、総合的な顧客体験で差別化を図っている。


「納豆定食」(430円)(出所:吉野家公式Webサイト)

「納豆牛小鉢定食」(468円)(出所:吉野家公式Webサイト)

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