「倍々ゲーム」のバーガーキング 人気の背景と「600店舗」に向けた死角とは(2/4 ページ)
近年、好調のファストフード業界の中で特に存在感を発揮しているバーガーキング。あらためてその要因を探るとともに、さらなる急拡大に向けた死角を解説する。
高価でも、ボリューム感がすごい
撤退から6年後の2007年、バーガーキングは日本に再上陸を果たす。「ロッテリア」を運営するロッテと企業支援を行うリヴァンプが共同出資してバーガーキング・ジャパンを設立し、同社が運営を担った。
とはいえその後もなかなか日の目を見ず、2010年に韓国法人のロッテが約200億ウォン(当時のレートで約14億円)の負債を引き継ぐことを条件に、わずか100円で国内事業を買収。その後、香港ファンドのアフィニティ・エクイティ・パートナーズが米バーガーキング側とフランチャイズ契約を締結し、ビーケージャパンホールディングスを設立。韓国ロッテも経営から退き、現在に至るまでビーケージャパンホールディングスが国内事業を担っている。
このように国内のバーガーキングは、撤退や経営陣が次々に変わってきた歴史を持つ。大量閉店が話題となった2019年には一時、約100店舗から77店舗にまで規模を縮小したのは先述した通りだ。しかし、近年は以前の不調がうそかのように急速な事業拡大を果たし、現在は200店舗超を展開する。
バーガーキングのメニューは単品で概ね500〜1000円ほどで、マクドナルドより高い。セットメニューはワッパーが890円で、マクドナルドより200〜300円高い。しかし、その分重量感があるのも特徴である。
例えば看板商品のワッパーは、ビッグマックよりサイズ・カロリーが大きい。重量換算でビッグマックの約1.3倍、ハンバーガー2.7個分である。単純に商品が大きい分、しっかり食べたい層を取り込んでおり、「ワッパーJr.」「ワッパーチーズJr.」といった一回り小さいバーガーを提供していることで幅広い層を取り込めているのではないか。
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