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「予算がない」過疎地域でも、命を守る「防災テック」を導入するには? 石川県の事例(2/3 ページ)

防災テックはどこまで進歩しており、どのようなことができるのだろうか。また、テクノロジーの導入が望まれる過疎地域ほど「予算がない」という問題には、どう対処すれば良いのだろうか?

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防災テックと行政――海外では機能している?

 一方、米国では「レジリエンステック」(直訳すれば「回復のための技術」。復興につなげるための技術を指す)領域のスタートアップが盛り上がりを見せているという。そして、状況把握のために取得したデータを現場にフィードバックする環境が出来上がりつつある。

レジリエンステックのカテゴリー
レジリエンステックにはさまざまなカテゴリーがある

 データの取得方法にはドローンを使った空撮、AIによる画像解析、センサーネットワークによるリアルタイムデータ収集などがある。

 木村氏は「行政と地域の電力会社のようなインフラ企業の間に強いつながりがあり、それら民間企業が防災テックスタートアップの技術を認め、連携している。そのおかげもあり官民連携で共同開発が進んでいるし、災害時でもデータ共有をスムーズに行えている」と解説する。「それらスタートアップの技術が活用されていることから、ファンドの調達も積極的に行われており、さらに伸びるという環境ができている」。

デロイト トーマツ ベンチャーサポート COO/パートナー 木村将之氏
デロイト トーマツ ベンチャーサポート COO/パートナー 木村将之氏。シリコンバレーで米国のレジリエンステックスタートアップ企業の最前線を目の当たりにした

 スタートアップが活躍するのは災害時だけではない。平常時からデータを収集・分析し、災害リスクの予測や予防に役立てているのだ。

 一例を挙げると、米tomorrow.ioは路面凍結や天候などをピンポイントでモニタリングし、航空会社などに情報を提供している。これにより航空会社では離発着許可の意思決定を正確に行い、乗客の安全を確保している。また、運送業界では天候に起因する遅延や事故を減らし、ドライバーや車両を危険にさらすリスクを抑制している。

tomorrow.ioのサービス
omorrow.ioが提供しているサービス
tomorrow.ioのサービス一例
ピンポイントで気候を予測可能な技術は、航空会社からの引き合いがある

 このように、米国内の防災テックスタートアップ企業は、平常時から取得したデータに価値を持たせ、活用することでしっかりとした収益を上げ、災害時にも対応できるようになっている。

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